山形市で、タクシー会社6社共通の「配車アプリ」の運用が始まった。アプリからの予約で効率的な配車ができるようになり、待ち時間の短縮など利便性の向上が期待されている。

2025年8月20日にサービスがスタートした「きてけろTaxi」
2025年8月20日にサービスがスタートした「きてけろTaxi」
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タクシー手配・目的地指定をアプリで簡単に

8月20日に運用が始まったのは、タクシーの配車システムなどを手がける徳島の会社「電脳交通」(本社:徳島県徳島市、代表取締役社長:近藤洋祐)と、山形市内の6つのタクシー会社が連携した地域密着型タクシー配車アプリ「きてけろTaxi(以下、きてけろタクシー)」。

アプリの利用はとっても簡単。どこから乗るか入力したら
アプリの利用はとっても簡単。どこから乗るか入力したら

山交ハイヤー・八千代交通・観光タクシー・相互タクシー・山寺観光タクシー・平成タクシーの6事業者が協力し、地域全体で効率的な「共同配車」を実現する。

こうした地域密着型の配車アプリが運用されるのは東北では初の取り組みだという。

どこへ行くのか、目的地を入力する
どこへ行くのか、目的地を入力する

利用したい人は、スマートフォンにアプリをダウンロードすることでタクシーの手配や目的地の指定などを行うことができる。
利用可能エリアは山形市・上山市・天童市。

タクシー会社・待ち時間の空車状況が表示されるので、希望の会社・待ち時間で選択する
タクシー会社・待ち時間の空車状況が表示されるので、希望の会社・待ち時間で選択する

タクシー配車をとりまく課題を軽減

山形県内では、少子高齢化や人口減少に伴い地域の公共交通網は年々縮小している。
そうした中、タクシーは日常の移動や通院、観光などの場面で、公共交通を補完する「地域の移動手段」として重要な役割を担っている。

一方で、運転士不足や高齢化、夜間の配車困難といった課題により、十分な配車対応が難しい場面があるのも現状。

自家用車がない・バスを乗り換えて向かうのが困難な人にとってタクシーは欠かせない移動手段
自家用車がない・バスを乗り換えて向かうのが困難な人にとってタクシーは欠かせない移動手段

また、これまでの配車予約はほとんどが電話で行われていて、タクシー利用者は空車が見つかるまで1社ずつ電話をかけたり、電話がつながっても待ち時間が長かったりするなど、課題があった。

電話をかけてもかけても空車が見つからない時の途方に暮れる感、都会の人には理解できないかもしれない
電話をかけてもかけても空車が見つからない時の途方に暮れる感、都会の人には理解できないかもしれない

これに対し「きてけろタクシー」は、一度に6社のタクシーから空車を探すことができるほか、車両がどこにいるのか画面上でリアルタイムで確認でき、待ち時間の可視化・不安を軽減することができる。

スマホでアプリを操作することさえできれば、簡単にタクシーを探すことができる
スマホでアプリを操作することさえできれば、簡単にタクシーを探すことができる

配車の最適化と機会損失の低減に期待

電脳交通・近藤洋祐代表取締役社長:
一部の利用者が「きてけろTaxi」を利用することで、電話の混雑具合の解消につながっていく。
どうしてもスマートフォンを持っていなくて、電話でないとタクシーを呼べない人にはより電話がつながりやすい状況が生まれる。
すべての年齢・客層にとってタクシーがユニバーサルなサービスになることを願って普及させていきたい。

「タクシーをこれまで以上に身近で気軽な移動手段にしたい」と考える電脳交通・近藤洋祐代表取締役社長
「タクシーをこれまで以上に身近で気軽な移動手段にしたい」と考える電脳交通・近藤洋祐代表取締役社長

アプリ導入はタクシー会社にもメリットがあり、配車担当者の負担が軽減されるほか、利用データを蓄積することで需要予測ができるため、効率的な車両配備による収益の改善も期待できるという。

空車時間・空車走行を削減し、より多くの実車機会を創出してドライバーの収入安定・事業者の収益改善につなげる
空車時間・空車走行を削減し、より多くの実車機会を創出してドライバーの収入安定・事業者の収益改善につなげる

各タクシー会社は、6社合わせて年間約4万人のアプリ利用を見込んでいる。

いつでも・どこでも・待ち時間がわかって便利。
このアプリの普及で、山形のタクシーの利用がよりアクティブに・フレキシブルに、変化が起こるかもしれない。

(さくらんぼテレビ)

さくらんぼテレビ
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