カラカラに干上がってしまった貯水池。
底があらわになっています。
日照りが続き水不足が深刻化している韓国・江陵(カンヌン)市では、20日午前9時から給水制限が始まりました。
給水が通常時の50%になるこの制限。
人口約20万人の9割にあたる約18万人が対象となります。
地元メディアによりますと、「オボン貯水池」の現在の貯水率は約20%で、1977年にこの貯水池が完成して以来最も低くなっています。
貯水池に下りた記者は、「水がいっぱいでないといけませんが、このように、まるで砂漠のようにカラカラに乾いていて、あちこちに草も生えています。貯水池の水は私が立っている場所から3~4メートル下に見え、貯水量が大きく減ったことが確認できます」と伝えています。
江陵市の市長はこの貯水池について、「貯水率が10%台まで落ちると予想されます。完成以来一度も経験していない前代未聞の状況です」と話しました。
韓国では7月、数日にわたって広い範囲で豪雨に見舞われ、各地で洪水など大きな被害が出ました。
韓国中部の忠清道(チュンチョンド)では、市街地が水に浸かり、コンビニの店内も浸水。
商品の陳列台まで水位が上がりました。
しかし、韓国の北東部にある江陵市では、大雨とはなりませんでした。
江陵市の住民は「他の地域は大雨だったのに、なぜここだけ降らないのか」と話しました。
ここ半年の江陵市の降水量は386.9mmで、平年の半分ほどだといいます。
9月から稲刈りを始める農家も「水をちゃんとやらないと稲穂がまともに育たない」と不安を募らせています。
公共施設ではすでに給水制限が始まっていて、7月14日から公共プール3カ所が閉鎖。
市内の公衆トイレが使えるのは週末だけで、噴水台6カ所も6月から稼働を停止しています。
江陵市では今後も当分雨が降らない見通しで、給水制限の措置が長引く可能性があると懸念されています。