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今から26年前の1999年7月21日、平和公園の対岸にあった韓国人原爆犠牲者慰霊碑が平和公園の中に移設されました。

移設完工式には、韓国テグ市の市長などおよそ350人が出席しました。

【移設委員長を務めた権養伯さん】
「故国を夢見ながら悲運の死を遂げられた皆様の心情を思う時、胸が痛みます。
せめて平和公園の中に永久の安らぎの場を…と願ってきました」

韓国人原爆犠牲者慰霊碑は朝鮮王朝の一族の男性が被爆したあと、力尽き倒れていた場所とされる、本川橋西詰に、戦後、建てられました。
しかし、平和公園の対岸だったことから、「民族差別ではないか」との批判もありました。

21世紀を前に念願の平和公園内への移設が実現したことで、慰霊碑が「平和のシンボル」になったと、多くの参加者が喜びました。

この年の夏から、韓国人被爆者の慰霊祭は平和公園に移設された慰霊碑の前で開かれています。

(メモ)
韓国人朝鮮人の被爆者は、戦時中の植民地支配によって日本への移住を余儀なくされたり強制連行された人たちで、正確な被害の実態は分かっていませんが、広島ではおよそ5万人が被爆し、およそ2万人が死亡したという推計があります。

移設委員長を務めた権養伯(クォン ヤンベク)さんは、在日韓国人二世の被爆者で長年、移設の実現に奔走。当時は、東広島市の総合レジャー企業「伯和グループ」社長でした。

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