「全中優勝」目指し磨き合う剣士たち 幼馴染の絆で北中剣道部躍進

体育館に響く力強い掛け声と竹刀の打ち合う音。

松山市立北中学校剣道部の稽古場には、日本一を目指す若き剣士たちの熱気が満ちている。

創部37年の歴史を持つ北中剣道部。男子団体は昨年、四国総体優勝と全国中学校剣道大会でベスト16という好成績を残した実力校だ。

その強さの秘密は、幼い頃から切磋琢磨してきた幼馴染コンビにある。

剣道四国大会と全国中学校剣道大会でベスト16
剣道四国大会と全国中学校剣道大会でベスト16
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全国ベスト16の実力校が目指す頂点

部を率いるキャプテンの高橋虎我選手は、精度の高い仕掛け技を武器とする大将。

副キャプテンの片上創太郎選手とは、松山市の名門・久枝剣道会で共に汗を流してきた盟友だ。

高橋選手は3歳から、片上選手は7歳から剣道を始め、小学生時代には愛媛県選抜チームとして全国優勝も経験している。

「とても信頼できているので、いいチームになってます」と語る片上選手。

ただ、これだけは直してもらいたいところを聞くと…。
片上選手は「体操服貸すんですけど、汗びしょびしょにして返してくるので、それやめてほしいです」
これに対して髙橋選手は「汗かきなんでしゃーない」と茶目っ気を見せる場面も。

厳しい稽古の合間に垣間見える友情が、チームの結束力を高めている。

とても信頼できていて、いいチーム
とても信頼できていて、いいチーム

自ら求める稽古の日々

松山北中剣道部の特徴は、生徒たちの自主性の高さだ。

顧問の菊池新太郎先生は「自分たちで励まし合って稽古を盛り上げていくというのは初めて見たので驚きました」と語る。

高橋選手と片上選手は4月に菊池先生のもとを訪れ、「全中に行くために、もっと稽古の日数を増やしてほしい」と直談判したという。

顧問・菊池新太郎先生
顧問・菊池新太郎先生

15人が所属する北中剣道部

男女合わせて15人が所属する北中剣道部。

生徒たちは北中剣道部について「自分を強くしてくれる部活」「剣道も心も体も鍛えられる場所」「3年生が礼儀正しい」「みんな頼もしい」と口々に語る。

自分を強くしてくれる部活など口々に語る
自分を強くしてくれる部活など口々に語る

松山市総体での激闘

6月11日、松山市総体の団体戦が行われた。

先鋒から大将で争う団体戦。北中男子は片上選手と髙橋選手を含む5人で戦う。

1試合3分以内で先に二本取った方が勝者となり、勝者の多いチームが次に進むことができ、参加18チームのうち、上位5チームが全国大会をかけた県総体に出場することが可能だ。

5人で戦う団体戦
5人で戦う団体戦

日本一への挑戦が続く

髙橋主将:
「全員で支え合って優勝したいと思っています」

迎えた初戦。先鋒の白石選手が勢いづけると、中堅の片上選手は自慢のスピードから力強い面を見せ、危なげなく初戦を突破。

その後一度も落とさず順調に勝ち進み、上位5チームに入った北中は、見事、県総体出場を決めた。

白石選手が勢いづける!
白石選手が勢いづける!

相手はライバル久米中学校

大会の最後は松山の頂点をかけた1位決定戦。その相手は…

髙橋選手:
「久米中です」
「松山市の新人戦で負けてます」

片上選手:
「しっかり前がとった一本を守って、全員で勝ちたいと思います」

去年の新人戦の決勝でライバル・久米中学校に敗れた北中。リベンジを狙う。

「全員で盛り上げていくよ!明るくね。一本でも多く取ったら勝ちやけん。優勝するぞ。おー!」

一本でも多く取ったら勝ちやけん
一本でも多く取ったら勝ちやけん

ライバルも負けてはいない

先鋒の白石選手。

一進一退の攻防が続くが…打ちにいったところを狙われ、相手に小手を取られてしまい、先制を許してしまう。

この団体戦では、一方が一本を取って試合終了した場合は、一本を取ったほうが勝者に。

次鋒の中島選手は引き技の面で一本勝ちを奪い、試合を振り出しに戻す。

中島選手が一本勝ち、試合を振り出しに
中島選手が一本勝ち、試合を振り出しに

片上選手は引き分けに終わる

続く中堅は片上選手。果敢に攻めるも、1本も奪えず、引き分けに終わってしまう。

期待の1年生、副将の片上慶二郎選手は相手の隙をねらい、一本を先取するが、その後相手に二本返され再びリードを許してしまう。

副将の片上慶二郎選手もリードを許してしまう
副将の片上慶二郎選手もリードを許してしまう

大事な大将戦には高橋選手が登場

ここまで勝者の数は2-1、本数も3-2で久米中が先行している状況。

最低でも一本、二本取れば1位が決まる大事な最後の大将戦に登場したのが、キャプテンの髙橋選手。

片上選手ら北中メンバーや保護者も固唾を飲んで見守る。

見守る保護者たち
見守る保護者たち

会場中に響く力強い面!

得意の面打ちで一本を先取!その後も相手に一本も奪わせない気迫あふれる髙橋選手。

終盤には…会場中に響く力強い面!

髙橋選手の二本勝ちで北中が見事リベンジを果たした。

見事リベンジを果たした
見事リベンジを果たした

やっと笑みがこぼれた選手たち

髙橋主将:
「緊張しましたね。でもみんながつないできてくれたんで。市新人戦の借りも返してやるよという強い気持ちで頑張りました。」

緊張から開放され、やっと笑みがこぼれた選手たち。

片上慶二郎副キャプテン:
「最後勝てないのがやっぱり弱いんよな俺。悔しいわ。」
髙橋キャプテン:
「もっと強くならんと。県では勝てんな。」

さらに、ともに稽古を頑張ってきた女子も、個人戦優勝の1年生大将・渡邉選手を中心に勝利を重ね県総体出場を決めました。

「もっと強くならんと。県では勝てんな。」
「もっと強くならんと。県では勝てんな。」

もっとレベルアップするために

北中は団体戦の男女と個人6人が7月の県総体に臨む。

髙橋主将:
「ここで満足せずに、県がつながって来るので、もっとレベルアップするためにもっと練習して、もっと強くなって県でも優勝します。」

日本一をを目指して、もっともっと強く。中学生剣士たちの青春は続く。

全員:
「北中学校剣道部の青春とは…笑顔と挑戦と支え合い、ファイトオー!」

もっともっと強く
もっともっと強く
テレビ愛媛
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