プレスリリース配信元:株式会社フロッグ
分析用求人ビッグデータを提供する、株式会社フロッグ(所在地:東京都千代田区、代表取締役:阪野 香子、以下「当社」)は、「2025年6月度 介護職動向レポート」を発表しました。
〇概要
少子高齢化が進む現代では、労働人口が減少する一方で介護を必要とする高齢者は増加しており、介護業界では人手不足が大きな課題となっています。日本経済新聞「トヨタ方式で介護の人手不足解消 補助業務を『標準化』」では、介護施設での生産性を上げる取り組みとして、専門的な知識がなくても対応可能な業務と、そうでない業務との分担が進められているとあります。では、介護職の求人動向や、実際の分業の進捗はどうなっているのでしょうか。
今回は、当社が収集している求人媒体の掲載情報を活用し、金融機関の求人動向を分析したレポートをお届けします。最新の傾向を示す参考資料として、ぜひご活用ください!
〇トピック
- 介護職の求人件数は、2025年までの6年間で+42.53%増加
- 資格不問の求人件数が、6年間で約1.61倍に増加。資格を必要とする求人は約1.36倍増
- 「清掃」「洗濯」など、資格不要な業務の分業化が進む
〇全体動向
まずは、介護職全体での求人動向を分析します。
・求人件数
2019年1月から2025年1月までの求人件数の推移を見てみると、2020年1月にやや減少したほか、ハローワーク全体で求人件数が減少した2024年1月を除いて増加傾向にあります。介護職などのエッセンシャルワーカーはコロナ禍でも需要が減らず、2020年の減少率も-1%以下に抑えられました。
2025年1月まで6年間の求人件数は、152,117件から216,809件へと、64,692(+42.53%)増加しています。
続いて、介護職の求人を「正社員・契約社員」「アルバイト・パート」の雇用形態に分類し、2019年1月の求人件数を100とした指数で比較します。
正社員・契約社員の求人件数は2020年1月に一時的に減少しましたが、その後は増加傾向にあります。アルバイト・パートについては、コロナ禍でも減少せず高い上昇率で推移しており、指数で見ると正社員・契約社員よりも大きな伸びが確認されました。
人手不足が課題となる中で、時短勤務や扶養内勤務など多様な働き方を希望する人材を受け入れやすいアルバイト・パートの求人出稿に、力を入れているのではないでしょうか。
・賃金
また、正社員・契約社員の平均月給の推移を見てみると、2025年1月までの6年間で182,764円から216,249円まで、33,485円(+18.32%)増加しています。
さらにアルバイト・パートの平均時給を見ると、2025年1月までの6年間で1,003円から1,202円まで199円(+19.84%)増加し、正社員・契約社員と比べて上昇率は1.52ポイント高くなっています。
〇全職種との比較
続いて、介護職と全職種による求人動向の違いを分析します。なお、「ジョブメドレー」は医療・介護に特化した求人サイトであるため、ここでは「ハローワーク」「バイトル」のみを調査対象としました。
それぞれの求人件数を2019年1月の値を100とした指数で見てみると、コロナ禍の影響を受けた2020年1月以降も介護職の求人は回復が早く、全職種と比べて高い水準を維持しています。2025年1月時点でも介護職は2019年の水準を上回っており、慢性的な人手不足が続いていることがわかります。
続いて、正社員・契約社員における平均月給を比較します。2025年1月時点で介護職が214,555円、全職種が223,677円で、その差は9,122円。全体的に全職種の方が高い水準で推移しています。
アルバイト・パートの平均時給についても同様に比較してみると、介護職と全職種で逆転する時期もありましたが、2025年1月時点では介護職が1,208円、全職種が1,216円と、8円の差で全職種が上回りました。正社員・契約社員より差は小さいものの、全職種の賃金水準が介護職を上回りました。
〇資格条件の比較
最後に、応募条件における資格の有無による違いを分析しました。
応募条件で資格不問とする求人と、何らかの資格を求める求人(以下、有資格)の求人件数を、2019年1月の値を100とした指数で比較しました。2019年1月以降、資格不問とする求人件数の伸びは、有資格求人を上回っており、その差は年々拡大しています。人材確保のために採用条件を緩和し、間口を広げる動きが加速しているのではないでしょうか。
また、有資格の求人の中でも、経験を求めない「未経験OK」の求人件数が増えています。実際に求人件数は、2025年1月までの6年間で71,865件から92,547件と、20,682件(+28.78%)増加しました。資格を保有していても待遇や勤務環境への不安から介護職を離れるケースも多く、そうした潜在層の復帰を促す求人が多く見られました。
・分業化調査
介護職の業務内容には、資格を必要とする業務と、資格を持っていなくても従事可能な業務があります。今回は、資格を必要としない業務の中でも「清掃」と「洗濯」に着目し、それぞれ「資格不問」と「有資格」の仕事内容に記載されている割合を調査しました。
まず、清掃業務を仕事内容に含む求人の割合を見ると、有資格では5~7.5%の間で推移しており、6年間でもあまり増加していない様子がうかがえます。一方、資格不問の求人では2019年1月の7.59%から2025年1月には13.77%へと6.18ポイント上昇しました。
また、洗濯業務についても同様の傾向が見られ、有資格求人では7.08%から11.82%へと4.74ポイントの増加。資格不問では7.71%から18.13%へと10.42ポイント上昇しました。
このことから、資格不要な業務を有資格者向けの求人では求めず、主に資格不問の求人において記載する傾向が見られました。実際の現場だけではなく募集時点でも分業を示すことで、より多様な人材の確保を図っているのではないでしょうか。
〇まとめ
今回は当社が保有する求人データを活用し、介護職の求人動向を調査しました。
介護職では、コロナ禍を経ても需要が堅調に推移し、特にアルバイト・パートの求人は大幅に増加しました。全職種の水準には追い付かないものの、賃金も約20%上昇し、待遇面の改善が進んでいます。
また、資格不問の求人が増える中で、「清掃」「洗濯」など無資格でも従事できる業務が明示されるようになり、分業化の動きも見られました。人手不足を背景に、介護現場では多様な人材を受け入れる採用の変化が進みつつあるのではないでしょうか。
求人ビッグデータを活用することで、より詳細に、よりリアルタイムに分析することが可能です。ぜひ今後の営業活動や採用活動にご活用ください。
〇調査概要
当社が収集した「ハローワーク」「バイトル」「ジョブメドレー」に掲載の求人媒体より、「正社員」「契約社員」「バイト」「パート」「その他」の求人情報を抽出し、集計した。
<集計対象期間>
2019年1月7日~2025年1月6日 ※各年1月第一月曜日を抽出
<平均月給・時給の計算方法について>
求人情報の給与項目内にある給与情報を数値に変換し、月給・時給の下限金額を合算して平均値を算出した。
<職種分類について>
複数の求人媒体の情報をまたいで集計するため、媒体記載の職種カテゴリーを使用せず、独自のキーワードマッピング処理に基づいた職種カテゴリーを使用して求人情報を分類・集計した。
<資格について>
応募条件に「資格不問」または「無資格」を含む求人を「資格不問」と定義し、それ以外の求人を「有資格」と定義した。
<未経験OKの求人について>
ハローワーク :応募条件に「必要な経験・知識・技能等 不問」を含む求人を抽出した
ハローワーク以外:応募条件に「未経験可」または「未経験OK」を含む求人を抽出した
【求人ビッグデータについて】
2014年から求人サイトのクローリング取得を開始し、現在では日本全国150以上のサイトから40億件以上の求人ビッグデータを保有しています。人材業界でのマーケティング調査や営業リストのほか、採用担当者の採用市場分析などにもご利用いただいております。また、景気動向の参考データとして官公庁や報道機関でのご活用も増えています。日本の採用市場の動向を明らかにする次世代民間データとして、幅広い業界のお客様にご活用いただいております。
〇会社概要
商号: 株式会社フロッグ
事業内容: 求人ビッグデータ事業
所在地: 〒101-0041 東京都千代田区神田須田町1-18 アーバンスクエア神田ビル
設立: 2021年1月5日(株式会社ゴーリストより分社化)
資本金: 1,000万円
URL: https://hrog.co.jp
代表者: 阪野 香子
ご提供サービス(一部)
官公庁・研究・報道機関向け求人オルタナティブデータ提供サービス「HRogリスト for アカデミア」
人材業界のための"求人"企業リスト「HRogリスト」
人材業界・採用担当者向け求人データ分析ツール「HRogチャート」
人材業界の一歩先を照らすメディア「HRog」
【HRogサービスに関するお問い合わせ先】
担当者名: 営業部
TEL: 03-5296-9595
Email: sales@hrog.co.jp
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