鹿児島県が整備を予定する新たな総合体育館についてです。
18日に続き、20日も県議会の文教観光委員会で議論が交わされ、委員会に寄せられた陳情85件の採決が行われました。
体育館の建設に対する賛否様々な県民の意見に、委員会はどのような結論を出したのでしょうか?
県は鹿児島市のドルフィンポート跡地に新たな総合体育館を整備する予定で、2025年3月、全体の整備費が当初の313億円から488億円まで膨らむ見通しが示されています。
整備費はさらに膨らむ可能性もある中、県議会の6月議会には体育館の建設費を詳細に示すための設計費や調査費として、約9億円を盛り込んだ補正予算案が提案されています。
そんな中、県議会の文教観光委員会に寄せられた85件の陳情。
体育館の早期整備を求める意見、計画の見直しを求める意見、それに賛否を問う県民投票を求めるものなど陳情は多岐にわたっていて、18日の委員会では約4時間にわたり議論が交わされました。
そして、20日。
これらの陳情の採決が行われました。
自民党・永井章義委員
「現段階で我々が考えなければならない点は、スポーツ・コンベンションセンターの整備が県政全般にわたる他の事業へ影響を与えないようにできるかというところ」
無所属・橋口住眞委員
「県民が納得し、誇りを持てる施設にするために、計画をいったん立ち止まり、規模・機能・資金調達手法を選択比較しながら再検証するべきである」
体育館の計画見直しを求める陳情についてはー
委員会に所属する自民、公明、県民連合の議員は反対、無所属の議員1人だけが賛成し、陳情は不採択となりました。
一方、早期整備を求める陳情については、無所属以外の議員が継続審査を求め、今後も委員会で審査を続けることが決まりました。
そして、県民投票を求める陳情は不採択となりましたが、今後も情報発信をする必要があるなどとして、県民との意見交換を求める陳情は継続審査となりました。
異例となる85件の陳情は採決だけで約1時間かかりました。
また、約9億円の設計費を含む予算案については今回の委員会で可決され、本会議でも可決される公算が大きくなり、今後、体育館の設計に向けた作業が進められる見込みです。
採決終了後、取材に応じた自民党の岩重礼委員長は、設計費の可決は建設まで認めたものではないと話しました。
鹿児島県議会 文教観光委員会・岩重礼委員長(自民)
「興味関心の高いことだということで、一つ一つ重く受け止めながらの議論をした。設計費が通ったからといって、これがイコール建設まで(認める)ということではなく、建設については改めて慎重に議論していく必要がある」