2011年に福岡県北九州市で建設会社の会長を射殺するなど7つの事件に関与したとして殺人などの罪に問われている特定危険指定暴力団「工藤会」系の組幹部の被告について、最高裁判所は20日までに上告を棄却し、無期懲役が確定することになりました。
工藤会の中核団体、田中組の幹部・中西正雄被告(59)は、ほかの組員らと共謀し、2011年に北九州市小倉北区で建設会社の会長だった男性(当時72)が射殺された事件や、2014年の歯科医師襲撃事件など、7つの事件に関与したとして殺人や傷害、放火などの罪に問われています。
2022年、1審の福岡地裁は、「中西被告が建設会社会長に拳銃で2発を発射し、うち1発を首に命中させ殺害した」と認定した上で、「暴力団組織が組織的、計画的に一般市民を射殺し、刑事責任は極めて重い」と指摘。ほかの6つの事件でも重要な役割を果たしていたとして無期懲役を言い渡し、2023年、2審の福岡高裁も1審判決を支持していました。
その後、中西被告側が上告していましたが、最高裁判所第3小法廷の林道晴裁判長は20日までに退ける決定をし、無期懲役が確定することになりました。