福島・南相馬市に拠点を置き、誰もが気軽に宇宙を使える未来を目指すスタートアップに迫りました。

連日、多くの来場客でにぎわう大阪・関西万博。
世界の最先端技術が集うこの場所で「Live News α」が注目したのは、創業から3年目ながら、宇宙開発で日本のプレゼンス向上を目指すスタートアップです。

経済産業省主催のテーマウィーク展示「東日本大震災からのよりよい復興」に出展した、福島・南相馬市に本社を置く民間宇宙スタートアップ「AstroX（アストロエックス）」。
気球を使い、ロケットを地上から約20kmの成層圏へ運ぶ“空中発射方式”による衛星軌道投入ロケットの開発を行っています。

一般的な地上打ち上げロケットに比べ天候に左右されにくく、空気抵抗も少ないため、省エネルギーで発射、かつ低コスト化が可能になるといいます。

来場者：
これはどこから？

AstroX 事業開発部・大谷和彦さん：
福島・南相馬市から。福島の中小企業の力を借り、いくつかの部品は加工・製造しています。

来場者：
福島で生まれたものを福島で飛びだたせるみたいな。

AstroX 事業開発部・大谷和彦さん：
「福島から宇宙へ」っていうのを一つ、スローガンに活動している。

来場者：
いやぁ、夢があっていいっすね。

東日本大震災で大きな被害を受けた福島・南相馬市。
多くの産業が失われたこの地ですが、東側が海に面し、周辺に住宅はなく、ロケット打ち上げに適した環境であることから、今では多くの宇宙関連企業が進出しています。

AstroX・小田翔武CEO：
「ここ（南相馬）を中心にまた新しい産業をつくる」と、本当に皆さん思ってらっしゃる。ベンチャーマインドではないが、一緒にやっていこうと応援してくださる。そういった住民の理解・行政の方の理解、「一緒にやっていこう」という気持ちが一番の魅力。

被災地の復興に向けた、新たな土地の有効活用。
そして、世界の英知が集まる万博で、日本の宇宙産業における可能性を発信。

その先には…。

AstroX・小田翔武CEO：
我々のビジョンとしても、宇宙開発で「Japan as No.1」を取り戻すと掲げてますけど、宇宙産業を新たな日本の一大産業にして、また日本人としてもワクワクする日本をつくりたい。海外から見ても「やっぱり日本っていけてるよね」というふうにしたい。