戦後80年にあたり、広島県を訪問中の天皇皇后両陛下は被爆者などと懇談されました。
19日午後5時半ごろ、両陛下は広島市内の原爆資料館で被爆者などと懇談されました。
陛下:
被爆されたときはどちらに?
笠岡貞江さん(92):
自宅に居て、やけどをして両親を亡くして。
皇后さま:
当時は、おいくつでいらっしゃったんですか?
陛下は92歳の女性と目線を合わせ、被爆時の状況や差別などに苦しんだ経験をうなずきながら耳を傾け、その経験を語り継ぐ35歳の女性に「一番お伝えになりたいのはどういうことですか?」と尋ねられました。
陛下:
大変でございましたね。お父さまのやけどはその後は?
続いて、13歳で被災した才木幹夫さん(93)に歩み寄られました。
生き残った後ろめたさや苦しみ、ロシアのウクライナ侵攻を機に、90歳を超えて初めて被爆体験を語り始めた才木さんに、陛下は「若い世代に一番伝えたいのはどういうことでしょうか?」皇后さまは「広島で被爆した方の大切なことを伝えてくださって」と声をかけ、「貴重なお話をありがとうございました」と伝えられました。
また、九死に一生を得た被爆者が、「絶対に二度と戦争をしてほしくないから経験を伝えていきたい」と話すと、陛下は「平和というのは本当に大切ですね」と何度も述べられました。
資料館を後にする際、陛下は「世界に被爆の実相を伝えていくということはとても大切ですね」と話されていたということです。
才木幹夫さん:
時間をオーバーして資料館をご覧になり、私たちにも本当に親しくお話を聞いていただいて。やはり十分に被爆状況を感じておられると思うんですよね。戦災地全国そうですけれども行脚されていますし、そういうことを連綿と皇室で引き継いでおられますよね。本当に国民として感動します。