北陸中日新聞の記事を紹介する記者の目のコーナーです。19日に掲載された、話題です。

珠洲市飯田町のちょうちん職人、地形恒(じがたひさし)さんが地域の住民に提灯づくりを教えています。

地形さんは1912年に創業したちょうちん店の3代目。小学3年生の頃から家業を手伝い、職人歴は70年になるそうです。昔は各町内に職人がいて祭りのちょうちんづくりを担っていたそうですが、徐々に減り、今では能登地方で数えるほどしかいないそうです。

そこで地形さんは、伝統的な技術を失わないようにと地元の公民館と連携し、教室を開くことにしたそうです。ちょうちんは来月下旬に予定されている、飯田燈籠山祭りで神社に奉納されたり、山車につるしたりするそうです。

地形さんは、「奥能登のちょうちんが廃れていくのを何とかしたい。もう少し若い世代に参加してもらえれば次の代に伝承していけるのでは。」と、話しています。

取材をした北陸中日新聞、珠洲通信部の高橋信記者です。取材をしてみて、教室の雰囲気はどのような感じでしたか?

高橋記者:
地形さんは時折、職人らしい目つきになるので、私なんかは一瞬、ドキッとするのですが、生徒さんは昔から飯田町で暮らす、顔見知り同士だそうです。なので、和やかなふんいきで、笑い声が絶えない教室になっていました。

Q ちょうちんは飯田燈籠山祭りで使われるそうですが、今年は開催されるのですか?

高橋記者:
2年ぶりに全面開催されます。飯田燈籠山祭りは飯田町の象徴です。県外で働いている出身者も盆や正月に帰らなくても祭りの時には帰って来るそうです。祭りの準備に携わることが出来るかどうかで、進学や就職先を決める人もいるくらいです。

Q 地形さんは、今後、どのように技術を伝承していこうと思って入るのでしょうか?

高橋記者:
地形さんは、おととしようやくこの教室を開きましたが、去年は地震の影響で開くことが出来ませんでした。今年は10人ほどが週末を中心に仕事の合間を縫って学びに来ているそうですが、年齢層が高いのが悩みなんだそうです。

地形さん:
「40代なり50代なりの人が(ちょうちんづくりを)覚えると、まぁ30年くらいは持つんじゃないかなと。そうすると次の時代へ伝承して行かれるんじゃ無いかなと思っています。」

過疎化が進む珠洲市では50代も若者と呼ばれています。地形さんは、40代、50代の若いうちに技術を学んでもらい定年後に、本格的にちょうちんづくりをして欲しいと言うのが地形さんの望みだそうです。

石川テレビ
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