19日の宮崎県内の最高気温は、えびの市で35.6℃、高千穂町で34.8℃など、暑い1日となりました。

消防などによりますと、19日午後5時時点で、県内で熱中症の疑いで病院に搬送された人は10人。そのうち、串間市内の小学校では、屋内で体育の授業中だった児童5人が息苦しさなどを訴え、熱中症の疑いで病院に搬送されましたが、全員意識はあったということです。

今回は、熱中症を防ぐための注意点や対策などについて、専門家に聞きました。

県内で去年、熱中症によって救急搬送された人の数は7月が最も多く、555人に上りました。次いで8月が367人と、暑さが本格化するこれからの時期、より一層の警戒が必要です。

また、熱中症による死者も毎年出ていて、2023年までの5年間で最も多かったのが2020年の13人となっています。

今年の夏の気温の傾向について、最新の気象庁の3か月予報によると、8月にかけて平均気温は、「平年よりも高い」と予想されています。

では、熱中症にならないためにはどうすればよいのか?県健康増進課の温谷さんに伺いました。

(県健康増進課 温谷莉早主任技師)
「まず暑さを避けること。また、こまめな水分補給が大切。飲酒のあとは、体が脱水状態になりやすいので、特に注意が必要。また、日頃から朝食を食べるなどの体調管理も大切」

特に気をつけなければいけない年代が高齢者と子供です。

高齢者は、暑さを感じにくくなったり、汗をかきにくいため、気がつかないうちに熱中症になることもあると言います。その対策として有効なのが…。

(県健康増進課 温谷莉早主任技師)
「高齢者の熱中症対策では、室温度計などを活用し、部屋の環境などを確認して調整することが大切。適切な室内温度が25℃〜28℃、湿度が50%前後とされている」

また、子供は体温調節機能などが未熟であったり、身長が低いことで、地面の照り返しを大人より強く受けるため、熱中症になりやすいと言います。

(県健康増進課 温谷莉早主任技師)
「子供は遊びに夢中で気がつかないなど、自分で体の変化を訴えることができない特徴がある。周囲の大人が子供の顔色や汗の量などに気を配る。そういった見守りが必要」

もし、熱中症が疑われる人を見かけたら、どうすればいいのか?宮崎市消防局の村社さんに話を伺いまいした。

(宮崎市消防局警防課救急救助対策室 村社拓郎主任)
「まず熱中症が疑われた場合は、症状によっても対処方法が変わってくる。症状別に対処をしたり、場合によっては、救急車の要請が見かけた人には必要」

めまいや頭痛、吐き気、軽い意識障害など、重症度1と2の症状がある人を見かけた時、どう対応すればいいのか実演してもらいました。

(実演)
「人が倒れてる。こんにちは。わかりますか?」
「はい。頭が痛くて気分が悪いです」

熱中症の疑いで倒れている人を見かけたら、まず声かけに反応するか確認します。
次に、クーラーの効いた涼しい場所に移動させ、水を飲める状態であれば、できるだけ座った状態で、気管に詰まらせないように水を飲ませます。

続いて、ボタンやベルトを緩めたら、首や脇など大きな血管を中心に、保冷剤などで冷やします。

それ以外にも、おなかや腕などに水をかけたり、うちわで扇いで熱を放出させて体温を下げます。

このような対処をしても症状が改善しない場合や、重度の意識障害がある場合は、ためらわずに救急車を呼んで下さい。

(宮崎市消防局警防課救急救助対策室 村社拓郎主任)
「救急車が到着する場所の把握や熱中症で倒れている人の情報を簡潔にまとめておいてもらえると医療機関への搬送もすばやくできる。去年、実際に熱中症で搬送された人の約7割が入院の必要性のない軽症で帰宅となっている。熱中症の予防や対処法を知り、熱中症に備えることと、救急車の適正利用をお願いしたいと思っている」

テレビ宮崎
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