鶴岡八幡宮や由比ガ浜ビーチなど人気観光地として知られて有名な神奈川・鎌倉市。
都内にもアクセスしやすく、住みたい街として名前が挙がるわけですが、市のルールに愛犬家から不満の声が上がっているようなんです。
19日の「ソレってどうなの?」は、「鎌倉ほとんどの公園で犬連れ禁止」をテーマにお伝えします。
19日朝、由比ガ浜では多くの人が犬の散歩に訪れていました。
一方、近くに住む人々が気軽に利用できる公園。
いわゆる街区公園では、鎌倉市のルールで犬の立ち入りが禁止されています。
ウェブサイトでは、理由は「公園利用者から犬との適切な距離が確保されず、不安な声が寄せられることから、安全確保のため」と書かれていました。
鎌倉市にあるこうした公園の数は239カ所。
例外的にリード付きで犬の立ち入りが認められているのは、そのうちわずか12カ所だけです。
この条例に、愛犬家からは「公園は誰のためにあるのか。『ワンちゃんは入れない』というと、飼っている人は公園を利用することができないということ。難しい問題だが、不平等といえば不平等。うちの子は本当に性格がおとなしいので、問題起こさないが、気性の荒い子もいるし、犬は獣だから…」「犬を飼っている側からすると、少し寛容になってほしい。できれば入りたい。公園を散歩させたい」と、さまざまな声が上がっています。
では、犬を飼っていない人にもルールについて伺いました。
犬を飼っていない人:
(条例は)妥当だと思う。犬が来ると喜んで毛が飛んだり、用を足したりすることも。小さい子どもたちが公園で喜んで遊んだり寝転んだりしているのを見ると、「不衛生で嫌だな」と気になる。おしっこなど結構臭う。放し飼いにしてる方も、何かあったとき困る。お互いがいいように暮らしていけるのが一番いい。
この問題ですが、市議会でも取り上げられました。
注目は、市に寄せられた苦情の数です。何と直近5年で10件ほどです。
鎌倉市議会・細川まなか議員:
意見・クレーム・苦情の連絡は何件くらい来ているのでしょうか?
鎌倉市担当者:
直近ですと、令和3年度5件、令和4年度1件、令和5年度5件、令和6年度0件でした。
番組が市に取材したところ、この数字に対して「正直多くはない」とした上で、「街区公園は地域の身近な公園として利用されている。地元の自治町内会などからの要望や相談に対し、入園できる街区公園を選定するなど検討したいと考えている」とコメントが返ってきました。
公園について詳しい、横浜市立大学大学院・町田誠客員教授に聞きました。
一部の住民の苦情でルールが変わることについて聞きますと、「多くの声で(ルールを)変えるというようなこともあるが、非常に強い声。極端に言うと、1件だけでも対応しきれない。公共団体の方も人的な資源というのがどんどん少なくなってきている。一つ一つの苦情とかクレームに対応して仕事の時間がどんどん奪われていく。そういうことになると、苦情があった件や強いクレームがあったような件については、禁止行為にしてしまい看板を掲げてクレームのもとになっているものを断ってしまう、そういうような傾向はなくはない」と答えてくれました。
では、どこにでも起こり得る問題解決するにはどうすればいいのか、町田教授は「住民の方々の相互理解っていうのもすごく大事。『どこの区域だったらいい?』とか、『このエリアはいいけどこっちはダメ』とか、あるいは『時間的で』、そういうような解決の仕方を模索していくことになるんじゃないか」と話しました。
犬を飼っていてもいなくても立場の違いを乗り越えて解決策が見つかることを願っています。