■帰宅途中の女性を狙ったわいせつ事件が、札幌市内の住宅街で立て続けに発生している。どちらも男は逃走し、行方は分かっていない。防犯のプロが警鐘を鳴らす“夏に増える”理由とは―
札幌市内の住宅街に不安が広がっている。6月16日夜、白石区と北区で立て続けに発生したのは、帰宅途中の女性や少女を狙った“不同意わいせつ”事件だ。
午後9時30分ごろ、白石区のサイクリングロードでは、20代の女性が見知らぬ男に後ろから突然抱きつかれ、体を触られる被害に遭った。女性はイヤホンをつけて歩いていたという。男は身長170cmほどで、緑の半袖シャツにハーフパンツ姿だった。
またその30分前、北区屯田では、自転車で帰宅途中の少女が、同じく自転車に乗った男に上半身を触られた。少女は靴ひもを結ぶために止まっていた隙を突かれたという。いずれのケースでも、犯人の男はその場から逃げ、現在も行方が分かっていない。
付近の事情に詳しい人からは「街灯も少なく、昔から不審者が多い。暗くなったら危ないから使わないようにしている」といった声も上がっている。
■被害は年々深刻化 6月から夏が“ピーク”
北海道警察によると、道内では過去5年間で不同意わいせつ事件が849件発生している。その中でも6月から件数が急増し、夏にかけてピークを迎える傾向がある。
防犯アドバイザーの京師美佳氏はその背景について、こう指摘する。
「6月を過ぎると開放的な気持ちになる。薄着になり肌が出て、それを見てわいせつ犯が狙ってくる。日がのびて出歩く人が増えるのも一因。この時期から8月までは、わいせつ事件が増える。女性は特に注意してほしい」
このような季節的要因が重なり、夏場はわいせつ事件に特に警戒が必要だ。
路上に潜むリスク。十分な注意が必要だ。