帰国できていない拉致被害者の親世代でただ1人となった横田めぐみさんの母・早紀江さん。拉致問題の進展がない中、早紀江さんは政府の言葉にある違和感を抱いています。

先日、拉致被害者・横田めぐみさんの母・早紀江さんの住む川崎市で開かれた『励ます会』。

めぐみさんが通っていた新潟市の寄居中学校の同級生を中心に、拉致当時から早紀江さんを支え続けてきた真保節子さんなど20人ほどが集まりました。

【横田早紀江さん】
「本当にありがたいことだと思っている。その頃の方がまだこうして(めぐみを)救うために、一生懸命に集まって励ましてくださっているというのは」

横田滋さんの写真が見守る穏やかな時間とは裏腹に、拉致問題が進展しない中、早紀江さんが首相の発言に抱いている違和感があります。

【石破首相(今年2月)】
「時間の経過とともに風化するのと反比例する形で、私どもは国民に対する啓発運動をやっていかねばならないと強く思っている」

【石破首相(今年5月)】
「今日集う心ある皆様方、風化を止めるために全国各地で活動していただき、そして私どもも心新たに取り組んでまいらねばなりません」

石破首相が折に触れ語る「拉致問題を風化させない」という言葉です。

【横田早紀江さん】
「(Q. 風化させないという政府の取り組みは?)本当、おかしい話。そんなことを言うのではなく、“早く取り返さなくてはいけない”ということを言ってもらわないといけない。日本政府そのものがそういうふうな感覚、風化しないようにと。それでなかったらこのこと(拉致問題)は話になっていかないという意味にしか取れない。そんなことではない」

早紀江さんは次の誕生日で90歳、めぐみさんは61歳に。政府に取り組んでほしいのは風化の防止ではなく、一日も早い被害者の救出です。

【横田早紀江さん】
「とにかく元気で生活していてくれさえすれば、私たちは最後まで頑張れると思う。助け出してあげたい、どうしたら助け出せるだろうなということばかり考えている」

13歳だった娘の今を同級生の姿に重ねながら早紀江さんはめぐみさんの無事を祈り、救出につながる情報を待ちわびています。

NST新潟総合テレビ
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