兵庫県西宮市にある「武庫川女子大学」が2027年度から共学化することがわかりました。

大学名を「武庫川大学」とするということです。

大学を運営する学校法人と大学が理事長・学長名で17日に発表したコメントは以下の通りです。

【学校法人武庫川学院理事長・武庫川女子大学学長のコメントより】
学校法人武庫川学院は令和9年度(2027年度)から武庫川女子大学を共学化する方針を固めましたのでお知らせいたします。 大学名は同年度から武庫川大学とする予定です。附属中学校・高等学校については女子校を継続します。

詳細は7月28日の理事会で決定後、公表を予定しています。

武庫川学院は女性に高度な教育の機会を設けようと1939年、教育者公江喜市郎によって創設されました。学院創設から10年後に開学した大学は、時代に応じて女性が活躍するフィールドを広げてきました。早くも1962年に薬学部を開設したのをはじめ、建築学部、経営学部などを次々に開設。今年4月には環境共生学部を開設して13学部21学科となり、大学院8研究科14専攻を合わせ1万人の学生が学ぶ全国最大規模の女子総合大学に発展しています。

本学は管理栄養士、薬剤師、看護師、社会福祉士、公認心理師、一級建築士など数々の国家試験で高い合格率を誇り、教員養成にも定評があります。大阪にも神戸にも近い利便性の高い都市部に3つのキャンパスを有し、アメリカにもキャンパスを持ち、産官学連携、地域連携など実践的学びも活発です。また、学生生活では、世界レベルで活躍するクラブや選手が多数います。こうした優れた環境、教育、学術研究を女性に限定せず、広く性別、年齢にかかわらず開くべきと考え、共学化に舵を切ることに決しました。

開学当時、わずか2%だった女性の大学進学率は現在、50%を超え、男女差はほぼなくなりました。本学の初期の目的は達せられたと言えます。一方で、日本では今もジェンダーギャップ指数が世界118位(2025年)と低く、男女格差の課題は解消には至っていません。

女本学は開学以来、ジェンダーや多様性に関する理解促進やキャリア形成について、教育を推進してきました。こうした教育は男性にも必要です。それが今後、ジェンダー平等を加速させる鍵であり、幅広い学びの領域を有する総合大学たる本学にはその責務があると思っています。

本学の有する教育をすべての人に開く時が来た――だから「共学」と呼ばず、「皆学(かいがく)」と呼ぶことといたしました。

女子大学である本学を選んだ在学生のみなさんは、皆学化の方針に戸惑われると思いますが、施設・設備のさらなる充実、多様な価値観が加わることによる学びの活性化など、これまで以上に充実したキャンパスライフを支援することをお約束いたします。

女子大学である本学を選んでご息女を入学させてくださった父母等のみなさまには、在学途中で共学化の方針を決定することになりましたこと、まず、お詫び申し上げます。皆学を機に、本学の教育・研究をさらに充実、発展させるとともに、安心して学業が続けられる教育環境づくりに全力を挙げて取り組みます。父母等のみなさまには、皆学化が本学のさらなる発展につながる決断であることをご理解いただき、変わらぬご支援をいただければ幸いです。

20万人にのぼる本学卒業生のみなさまには、母校の変化を積極的に受け止めていただきたくお願い申し上げます。また、日ごろより本学にご支援、ご協力いただいている地域のみなさま、企業や自治体のみなさまには、本学の決断をご理解いただき、今後とも変わらぬご支援ご鞭撻をいただきたく、お願い申し上げます。

2025年(令和7年)6月17日

学校法人 武庫川学院理事長
大河原 量

武庫川女子大学学長
高橋 享子

関西テレビ
関西テレビ

滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山・徳島の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。