6月13日は年金支給日ですが、今回から支給額が引き上げられました。
物価が上がっていますが、追い打ちをかけているのがコメの高騰です。
取材をすると厳しい声が聞こえてきました。

13日、国会では“年収106万円の壁”の撤廃による厚生年金の適用拡大などを柱とする年金制度改革法が参議院本会議で、自民・公明、立憲民主などの賛成多数で可決・成立しました。

そのころ、東京・巣鴨の金融機関には年金生活者とみられる人々が詰めかけていました。

80代:
10万円にはいってない。(ぜいたくする)余裕はない。ちょっとでも増えるとうれしい。

通帳を見る男性は、「上がった。コメ代にはなるかね」と年金額の変化を感じていました。
通帳を見せてもらうと、確かに2カ月分で7000円ほど増額されています。

さらに、別の女性も3000円ほどアップ。

今回の支給から年金額が1.9%に引き上げられました。
しかし、物価の上昇には追いついておらず、実は実質的には目減りしているのです。

70代(約8万円/月):
気分的には少しでも上がればうれしい。1カ月、そんなに残らない。物価も上がってるし…。

スーパーに買い物に来た女性は、年金のご褒美のお寿司を1580円のものにするか698円のものにするかで迷っていました。

70代(約15万円/月):
どっちがいいかな…。そんなにね…。698円…。マグロが薄いけど、こっちにします!

さらにコメ価格の高騰が直撃しています。

今週発表された全国のスーパーのコメの価格は4223円(5月26日~6月1日)。
2024年の同じ時期と比べて2倍の状態が続いています。

70代(約9万円/月):
やっぱり3000円台だったらいいのかな。(4000円台は)ちょっときつい。お米が好きなので…。

スーパーに買い出しにやってきた女性の年金額は約7万円/月。
手にはささやかなぜいたくとして買った、値引きされた298円の花がありました。

80代(約7万円/月):
あらびきウインナーと砂糖2つとヨーグルト2つ…終わり。これだけ買って5000円、(高くて)信じられない。(年金は)足りない!足りるわけがない!

買い物した中にコメはありません。
高くて1年以上も買っていないといいます。

80代(約7万円/月):
(コメは)買わない。買う気がない!パックのご飯で十分!

家賃1万8000円の都営住宅で1人暮らしをする女性の年金額は、ひと月約13万円。
コメ価格の高騰を乗り切るため、こんな節約術を実践していました。

80代(約13万円/月):
こういうふうに入れてる。もち麦と十六穀米を(白米に)まぜて炊く。

購入した2kgの銘柄米の量を増やすために十六穀米ともち麦を混ぜて炊き、冷凍庫に保存していたのです。

80代(約13万円/月):
まとめて作った方が経済的。冷凍すれば日持ちして、レンジであたためてもおいしい。(去年の価格と比べて)倍ですからね…ひどいです。

長引くコメ高に年金額の実質目減り。
年金生活者の苦しい暮らしが続いています。