2025年4月、20代の男性が静岡県掛川市に8畳1間の小さな書店をオープンしました。活字離れが叫ばれる中、どういった思いがあるのでしょうか。

掛川市上内田にひっそりとたたずむ民家のような建物。

落合健悟 記者:
こちらの廊下を奥に進んでいくと和室があるんですが、中には本がズラリと並んでいます

8畳1間の和室で4月12日にオープンしたのは「本屋すみれ」。

建物の1室を間借りしたこの書店には店主の近藤貴也さんがおすすめする本、約1500冊が所せましと並んでいて、ジャンルは小説やエッセイ、哲学の入門書など様々です。

本屋すみれ・近藤貴也 店主(29):
心が落ち着くとか温かくなる場所をつくりたかったので、本も、読み味が心が温かくなるとか心が落ちつくような本をセレクトして(いる)

この店の特徴は本好きの店主との会話の中でおすすめの本を見つけられること。

大人だけでなく子供用の絵本も丁寧に話をしながらお客さんに合うものをチョイスします。

来店客:
いろいろ話をしてくれて、この本が合うと思うよとおすすめしてくれて、すごく気に入ったみたいなので。大きい本屋さんだとどうしてもたくさんありすぎて選びきれないんですけど、おすすめしてもらえると、また何か1冊自分の分も買えたらいいなと思います

店主の近藤さん…実はこの店を開くまで小学校の教師をしていました。

思うような授業ができずに悩んだ時、何度も立ち寄ったのが町の小さな書店でした。

本屋すみれ・近藤貴也 店主(29):
そこに並んでいる本とか店主さんにお話をすることで自分が救われた経験があったので、そういう場所をつくりたいと思ったのがこの店をやろうと思ったきっかけです

近藤さんは一念発起し、教員を辞めて「本屋すみれ」をオープン。

活字離れが叫ばれる中、本との出会いを提供するとともに訪れた人に寄り添う「本屋さん」をつくっていくと意気込みます。

本屋すみれ・近藤貴也 店主(29):
明日ちょっと勇気が出そうだなとか、昨日よりは少し幸せな気持ちになれたかもしれないみたいな、ちょっとしたことでも何か希望が見えるような気持ちになってくれたらこの本屋さんの存在意義がすごくあるんじゃないかと思って、そういうものを伝えていきたいと思っています

「すみれ」の花言葉は小さな幸せ。

自分が助けられたように本を通じて心安らぐ場所を目指しています。

テレビ静岡
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