熊本市北区でネコの保護活動を行っている女性の自宅で１００匹以上のネコが死んでいた問題の続報です。市は見つかったネコの死骸が約１５０匹に上ると１０日、明らかにしました。市は動物愛護法の虐待に当たるとして６月６日、女性を刑事告発したということです。
【熊本市動物愛護センター瀧本 勉 所長】
「愛護動物虐待罪に当たると考えられることから６月６日、熊本市は対象者を刑事告発しました」
この問題は、動物愛護団体に所属し、熊本市北区でネコの保護活動を行っている女性の自宅で６月２日、１００匹以上のネコが死んでいるのが見つかり、生きたネコ１２匹が保護されたものです。
１０日会見を開いた熊本市は、調査の結果、見つかったネコの死骸が約１５０匹にのぼると明らかにしました。さらに、市は６月６日、女性を刑事告発したと発表。
「他のネコの死骸が放置された環境でネコを飼育した」として動物愛護法が定められている虐待の疑いがあるということです。
市が動物虐待の疑いで刑事告発するのは初めてです。
女性は市に対し、「自分に責任があり、真摯に対応する」などと話しているということです。
なぜこのような事態になったのか、予兆ともいえる相談が市に寄せられていました。
【中原里菜アナウンサーリポート】
「去年７月と１１月に『死んでいるネコがいるようだ』などの相談が市に寄せられていましたが、虐待疑いの状況ではないと判断していました」
市によりますと、死んだり衰弱したりしているネコは確認できなかったということです。
【熊本市動物愛護センター瀧本 勉 所長】
「世話がされている様子だった。虐待を疑う状況は確認できなかった」
【熊本市 中林秀和保健衛生部長】
「昨年７月と１１月の調査でもう一歩、踏み込むべきだったのかどうかは今後、検討が必要だと思っている」
今後は、警察による捜査が行われるほか、環境省の協力の下、死んだネコに対する
虐待がなかったかどうかなども調査されるということです。
熊本市によりますと、動物愛護センターには年間約１５００件の苦情や相談が寄せられ、このうち３００件ほどが現地調査が必要なものだということです。しかし、人員不足もあり、どこまで踏み込めるかは今後の課題です。
