“ぬいぐるみ”というと子供のイメージがあると思いますが、実は今、所有する人の半数が10年以上所有。
つまり、大人も大事にしている方が多いんです。

そんな中で3カ月待ちだという、思い出が詰まったぬいぐるみを鮮やかに蘇らせるサービスに注目が集まっています。

今、右肩上がりのぬいぐるみ市場。
その広がりは東京都内のクリニックにも及んでいました。

杜の都なつみクリニック・箱崎なつみさん:
ぬいぐるみはですね、だいたい1週間でこれぐらい届きます。だいたい30箱ぐらいです。

生地が傷むなど、古くなったぬいぐるみを“治療”してくれるという「杜の都なつみクリニック」。

目が取れてしまって毛並みもごわついていたクマが、くすみが抜けてふわふわに。
破れて中の綿が見えてしまっていたセイウチは、元の形に戻り色もきれいに蘇りました。

現在、クリニックには約100体が入院していて予約待ちの状態だといいます。

スタッフ:
本日はどのような治療をご希望でしょうか。

30代:
30年前のぬいぐるみなので、子供の時にすごく振り回しちゃって、こんな感じでもう剥げちゃったとか、目が傷ついちゃったりとか、子供の時の思い出なのでお願いします。

この日、訪れた人は、子供のころにおばあちゃんに買ってもらった思い出のぬいぐるみをきれいにしてもらうためやってきたといいます。

治療は郵送でも受け付けていますが、中にははるばる遠方からやってくる方も。

30代:
新潟からです。箱に詰めて送るっていうのが、どうしてもかわいそうだったので連れてきました。

新潟から新幹線でやってきたという女性は、5年前に道の駅で見かけたレッサーパンダのパペット「たぬ吉」に一目ぼれ。

30代:
どこに行くにもいつも一緒。置いていくことは絶対にない。すっごくいろんなとこ行ってて、温泉旅行が好きなので結構あちこちの温泉行ったり、沖縄も行ったし、福岡とかも行ったし。

しかし、1年ほど前から前脚部分がほつれ、こちらのクリニックにやってきたといいます。

30代:
お願いします。たぬちゃん頑張って。

再会までしばらくのお別れです。

1体1万円からで10万円を超えることもある治療費。
決して安くはないお値段ですが、なぜここまで依頼が増えているのでしょうか。

その訳は、寄り添った治療方法だといいます。

杜の都なつみクリニック・箱崎なつみさん:
本当にぬいぐるみ一人一人によって、本当に治療内容が様々なんですね。治療のご要望に対して、どういったことが私たちはできるかなど相違がないようにカウンセリングをすることが重要だと思っています。

依頼していたクマを受け取りに来たリピーターの女性(40代)は「帰ってきて感無量です。2カ月くらいずっと離れ離れだったので」と話しました。

27年前に親友からプレゼントでもらったぬいぐるみ・クマの「ゴンザレス」。
3年ほど前に自分で洗ってみたそうなんですが、うまくいかず、鼻に大きな穴が開いてしまいました。

そこで、このクリニックで治してもらい、今回が2回目だということです。

リピーターの女性(40代):
私はもう家族なんで、こういった病院があって助かります。

竹俣紅キャスター:
遠藤さん、こんなにきれいになるんですね。

遠藤玲子キャスター:
私も家で洗ったことがありますけど、子供に逆に怒られるぐらい形がクシャッとしてしまったり。全然違います。

竹俣紅キャスター:
色も薄くなってしまったりとか、肌触りも変わってしまいますもんね。

このようなぬいぐるみに関するサービスは他にも広がりを見せているんです。

ぬいぐるみ専門の旅行ツアー「ぬい旅」なるサービスも。
お値段は5000円からで、お気に入りのぬいぐるみを代わりに旅行に連れて行って写真などを撮って送ってくれるんです。

さらに、“ぬいぐるみと一緒に行ける”をテーマにしたカフェ。
プリンや飲み物など、人間とセットでぬいぐるみ用の小さいサイズのものも出してもらえるといいます。

写真撮影なども楽しむことができ、70人の募集に約300人の応募が入るほど人気だったようです。

竹俣紅キャスター:
このようなぬい活が注目を集めていますが、中村さんいかがですか。

SPキャスター・中村竜太郎さん:
私は結構、理解を示していて。童心に戻るというかね。あとは小さい時に独りぼっちだったりする時に寄り添ってくれるというのは、感情移入できるぬいぐるみじゃないですか。大切にしたいという気持ちはすごくよく分かりますね。

竹俣紅キャスター:
自分の相棒のような気持ちで、家族の一員ですよね。

「杜の都なつみクリニック」には、海外からもお客さんや患者さんが来ているということです。