新潟県が昨年度の県立病院事業の決算を発表し、純損益は過去最大となる46億円の赤字となりました。運転資金にあたる内部留保資金が今年度末にも枯渇する見通しで診療体制などへ影響が懸念されます。
【県病院局 金井健一 局長】
「今年度末にも内部留保資金が枯渇する見込みとなっている。赤字額、今年度末の内部留保資金枯渇等、これまでにない、極めて深刻な状況であると考えている」
5月29日に発表された昨年度の県立病院事業会計の決算。収益から費用を差し引いた純損益はマイナス46億円で、過去最大の赤字額となりました。
県は去年、人口が減る中、赤字が続く県立病院の経営改革方針を打ち出し、病院機能や規模の見直しなどを進めてきましたが、資材費や人件費の高騰などを受け、赤字幅は昨年度当初の見込みよりも2億7000万円拡大。
今年度26億円の収支改善を達成しない限り、運転資金にあたる内部留保資金が年度末に枯渇する見通しです。
【県病院局 金井健一 局長】
「(26億円の収支改善は)相当な高い目標。実際に内部留保資金がなくなったらどうなるのか、他県の状況も調べている。例えば時間外手当の支給を止めたとか、患者に迷惑がかかる中で夏場の冷房を止めたとか」
こうした中、県は県立病院の経営改革をさらに急ぐ考えで、その一環として入院患者の減少が続く県立松代病院を来年4月に入院機能のない無床診療所とする方針を正式に決定。入院機能を同じ十日町市内の県立十日町病院に集約することにしています。
さらに、ほかのへき地病院でも規模の縮小が検討されるなど医療再編が避けられない状況です。
【県病院局 金井健一 局長】
「地域住民、関係者の皆様におかれては、この度の改編に対する理解を切にお願いしたいと考えているし、持続可能な医療提供体制の構築に努めていきたい」
県はまた、地域医療に対する国の支援を引き続き求めていくとしています。