テレビ宮崎の夕方ニュース「#Link」でお天気コーナーを担当している気象予報士・古山圭子さんが特技のイラストを使って天気の豆知識を解説するコーナー。今回は「台風1号の発生時期」をテーマにお伝えする。
「台風1号」発生が遅かった年は…
5月も残りわずかとなってきたが、例年この時期に聞く「何か」を忘れていないだろうか?そう、「台風」のこと。実は2025年はまだ「台風1号」が発生していない。

そこで「台風1号」の発生が遅かった記録を順を並べてみた。最も遅かったのは1998年「7月9日」次いで2016年「7月3日」1973年「7月1日」1983年「6月25日」1952年と1984年「6月9日」と続いている。ことし2025年は、既に過去7番目の遅さになっている。ちなみに最も早かった年は、なんと1月1日…とのこと。
それでは、「台風1号」の発生が遅かった年は、「発生数」も少なかったのだろうか? 1位「7月9日」の年は16個とかなり少なかった。しかしその他の年は、26個、21個、23個、27個と、平年の25.1個と同じくらい発生している。つまり、台風の発生が遅かったからといって、発生数が少ないとは限らないということだ。逆に言うと、短い期間に台風の発生が「集中する」ということになる。
「台風1号」が6月だった2016年の被害は

5月28日現在、台風の卵も発生しておらず、台風1号の発生は6月以降にずれ込みそうだ。「台風1号」が6月以降にずれ込んだ、2016年の宮崎の台風を振り返ると、台風16号の被害が大きかった。9月20日に鹿児島に上陸し、宮崎県内では土砂崩れや道路の冠水、住宅の浸水など多数の爪痕を残した。台風に加えて秋雨前線が停滞していたため、記録的な大雨となり、24時間降水量は日向と延岡で観測史上1位となった。

それではことし、2025年はどうなるのか。最新の3カ月予報によると、この先、台風が発生するフィリピンの東の海上は、海面水温が高く、積乱雲が多く発生する予想となっている。つまり、台風が発生しやすい条件になる恐れがあるので、油断はできない。しっかりと備えることが必要だ。
(テレビ宮崎)