来日中のUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)のラザリーニ事務局長は28日、都内で会見を行い、イスラエルが提案しているガザ支援策について、「人道支援の原則に反している」と述べました。
パレスチナ難民への支援活動を行うUNRWAのラザリーニ事務局長は28日、都内の日本記者クラブで会見し、アメリカやイスラエルなどが主導するガザ地区での支援物資の配給について、「物資の無駄遣いで、残虐行為から目をそらすための行為だ」と述べ、「人道支援の原則に反している」と批判しました。
ガザ地区には200万人が住んでいるとされていて、ラザリーニ事務局長によりますと、少なくとも1日トラック500台から600台分の支援が必要で、現在の支援は「必要な量にはほど遠い」と指摘しています。
また、ガザ全体で配給センターが4カ所にとどまっていることについて、「人道性や公平性に欠けている」と批判したうえで、「国連が配給に協力することは不可能だ」との考えを示しました。
ラザリーニ事務局長はまた、UNRWAの財政状況が絶望的な状況にあると説明し、6月以降も活動を継続するためには即時の支援が必要だと訴えました。
ラザリーニ事務局長は27日、石破茂首相と官邸で面会し、難民支援での連携を求めています。