「コメは買ったことがない」などと発言して辞表を提出した江藤拓農林水産大臣の後任として、次の農水大臣の起用がかたまっている小泉進次郎元環境大臣。
取材に対し「コメを供給できるよう、強力に取り組みを推進する」「コメ担当大臣だという思いで集中して取り組んでいきたい」と答えました。
「旬感LIVEとれたてっ!」に出演した橋下徹氏が小泉新農林水産相に期待することを語りました。
■「小泉氏に期待」橋下氏が熱望する大胆な農協改革
【橋下徹氏】「小泉さんこれ本当正念場だと思いますよ。こうやってピンチの時に呼ばれるのは、やっぱり実力が今評価されてる所で。小泉さんは元々、農協改革やろうと思ってた時は、結構過激な改革案を出そうとしてたんだけど、周りから押さえ込まれて、僕からすればマイルドな改革案に終わったんですよ。今回、農林水産大臣なって、一気にその権限を持った時に、当初言われていたあの大胆な改革をやってくれるかどうかを期待してます」
【青木源太キャスター】「権限に加えて、今回、世論もプラスできるかもしれないから」
【橋下徹氏】「だから特に『農林中央金庫のお金は、農家さんのためにはほとんど使われてない』とか言って、農協関係に大激怒されてるわけですよ。そこを最後丸く収められたんだけど、僕はもう1回とがってやってもらいたいですけどもね。それできるかどうかですけど」
(Q.石破首相がそれを狙っている?)
【橋下徹氏】「僕はそれやってもらいたい。その時に小泉さんは丁寧な言葉を使った、あまり波風立てないようなやり方やってますけど、大胆な改革をやろうと思ったら結構、荒い言葉使わなきゃいけないから。お父さん(小泉純一郎元首相)もそうですよね」
■コメ価格引き下げは「指値放出」で実現可能?
【青木源太キャスター】「言葉だけじゃなくて結果で見るとしたら小泉新農水相の結果というのはいつ頃どんな結果を見ていけばいいと?」
【橋下徹氏】「入札をオークション方式にせずに、指値で『もういくら、この値段で、もう放出』って事を決めれば、それは(コメ価格)下がりますから」
【青木源太キャスター】「やはり価格ということですね」
【橋下徹氏】「でもそれは、農家さんの方は猛反対するから。価格を下げること。だからそこを小泉さんが農家さんの声、農協の声を押し切って、国民の声を聞いて本気で下げに行けるか。今回の備蓄米に関しては、指値で入れればいいわけなんです。入札にするとやっぱ高くなるから、指値を入れてバーンと放出するってことをやれるかどうかです」
■「緊急対応!アベノマスク方式でコメも放出せよ」橋下氏が大胆提案
コメ価格を下げるために、橋下氏は「緊急対応!アベノマスクのようにコメもやれ!!」と持論を展開します。
(Q.国民にコメを配れということ?)
【橋下徹氏】「卸しに出す時に今、入札で出しているんですよ。オークションってどんどん上がっていく、一番高い所に卸すから、価格下がるわけないじゃないですか。今回下げようとするんでしょ。入札なんかかけなくて、随意契約っていうやり方で、『もうこの金額で放出』と。そうするとみんな安い金額だから、『私ほしい、私ほしい』ってなるから、そこは抽選でやればいいだけの話」
(Q.反対する人もいるのでは?)
【橋下徹氏】「生産者、農協さん、農家さんが『価格下げたたらダメだ』と。だから入札で高い方に放出ってやってるんです。そうじゃなくて価格下げた値段で、抽選で出せばいいんで。アベノマスクの時には、逆にアベノマスクはマスクを安く調達しなきゃいけなかったんだけど、緊急状態だっていうことで1社、2社から高い金額で調達したんです』
アベノマスクの時は、およそ 440 億円をかけて、「随意契約」つまり入札ではなく、決まった業者を相手にして、さらに業者の“言い値”で発注しています。(※平均単価 139 円)
【青木源太キャスター】「あの時を思い出していただくと、コロナ禍で店頭にマスクが一切ありませんでしたから、そういったことを政府が施策の一つとしてやったということです」
■「随意契約」で備蓄米を安く放出 高騰するコメ価格対策の具体策
【橋下徹氏】「アベノマスクが正しいかどうかを僕はここで言いたいんじゃなくて、随意契約ってやり方があります、入札じゃなくて(と言いたい)。でも、これもある国会議員と議論になった時に、随意契約すら知らない国会議員がほとんどだったわけ。だからみんな『入札しかないでしょう。備蓄米って国有財産だから入札で高く売るしかないでしょ』というのが、国会議員ほとんどがそう言ってる」
【関西テレビ 加藤さゆり報道デスク】「国有財産となると、国民のために国が与ってるっていう位置付けじゃないですか。そうすると結局、法改正みたいにしなきゃいけないじゃないですか」
【橋下徹氏】「ルール改正で随意契約なんて、もう全国の自治体だって、国だって、どこでもやってるんで、だから僕なんかでも随意契約原則禁止だけれども、緊急事態の時に安くしたいんだったら、国民の財産でもそれは安く放出すれば、みんなに安く行くんで」
【青木源太キャスター】「これ逆に言えば、アベノマスクの時はコロナ禍で、お店に一切マスクがなかった。今コメがあるけれど高いという状況だけれども、あることはあるじゃないですか。それでもこの随意契約で緊急対策をやったほうがいい?」
【橋下徹氏】「だからあとは国民の皆さんがどう思うか。コメの価格だけ下げに行くことがいいかどうか考えるかですが、いま一応、国民1人あたり大体20%分が米のカロリーを摂取してるんですよ。コメ絶対食べないっていう人もいますけども、ならして考えると、みんな国民1人あたり20%分がコメのカロリーを摂取している。これだけ食卓の重要な部分占めてるんだったら、コメの値段下げるべきなんじゃないの?こんだけ『下げろ、下げろ』って言ってるんだから」
■生産者保護と価格引き下げの両立は可能か「個別補償」で農家支援を
(Q.農家や生産者の方の反発は?)
【橋下徹氏】「ものすごい反発ありますよ。だから小泉さんがどう取るか。だって単純に言えば備蓄米0円価格で放出してしまったら、ある程度価格下がっていきます全体の価格が」
【青木源太キャスター】「反発だけじゃなくて、例えば、儲からないから作るのやめたって、またコメの生産農家が減ってしまうと言うことは?」
【橋下徹氏】「生産農家が損したところは個別補償でまた支援してあげれば。別に減反政策で、量とか米の価格維持でやらなくても、これ石破さんが委員会で答えてますけど、『コストをうまく合理化した農家さんには、個別補償をやっていくことも検討する』と委員会で言ってます。僕は賛成。だけどもこの備蓄米について、高い金額で放出するんじゃなくて、安い金額で、しかも仕入れ価格が1万2000円ぐらいなんですよ。だからその金額で出せばいい。いま2万4000円ぐらいついてるから」
■政治的配慮か国民全体の利益か 小泉新大臣の「真価」が問われる正念場
【橋下徹氏】「選挙のこと考えて、コメ農家さんに厳しいこと誰も言わないんですよ。誰も。僕はやっぱりコメも食品の1つとして、考えていけばいいと思うんですよ。農家さん支えるんだったら、別で支えればいい。でも与野党を含めて、みんな大胆な改革みんな言わないから、小泉さんにも期待するしかない」
(Q.自民党支持者は農家の方が多いのでは?)
【橋下徹氏】「だから小泉さんがやっぱりそっちの声を聞くのか、国民全体の方を考えるのかが試されるからこれ本当に大変だと思う。どっち国民か自民党支援者か」
(関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」2025年5月21日放送)