見通しの甘さから県議会を巻き込んだ大きな問題へと発展しかねない状況となっています。川勝前知事の時代から進められてきた肝いりのハコモノ事業は一体どうなるのでしょうか?

自民改革会議・相坂摂治 前代表:
もう一度見直していくことも必要かなと思う

ふじのくに県民クラブ・四本康久 会長:
額にびっくりした

公明党県議団・蓮池章平 団長:
説明を聞いても納得はできていない

5月19日に突如明らかになった県教育委員会の大失態。

渦中にあるのは新たな県立中央図書館の整備計画です。

県教委はこれまでJR東静岡駅前へ移転・新設するにあたり、総事業費298億円のうち136億円については国の補助金を活用すると説明。

しかし…。

国交省は「静岡県の1つの施設だけで136億円も出したら補助金全体の配分バランスが崩れる」と目論みは外れ、交付額が34億円に留まる見通しとなり、このままでは県の費用負担が103億円も増える状況に。

こうした異常事態に県民は…。

県民:
そこまで立派にせずに簡易的に、デザインから考え直すことが時間的にどうかと思うができたらいい

県民:
急に決まった話ではないと思うから、どのくらい県民の理解を得られるかというところ

県民:
浜松球場(新野球場)をもっと縮小させて、そっち(新図書館)に回してもらった方が球場はあまり使うことがない

県民:
ほかにもっと税金を使うところがあると思うので考え直してもらいたい

県民:
なるべく市民に負担をかけないようなお金の使い方をしてほしい

県民:
規模が小さくなると「あれ?」となってしまう。このままの文献数がそろってくれれば学生としてはうれしい

建物の老朽化を理由に元々は川勝前知事の時代に決まった県立中央図書館の移転。

静岡県・川勝平太 知事(2017年):
景観に配慮しながら皆さんの使い勝手の良い立派な図書館をつくりたい

当初は図書館を核とするレストランや宿泊施設などが入った”文化力の拠点”を整備することが計画されました。

ただ…。

静岡県・川勝平太 知事(2019年12月):
ヤクザの集団もいますからね。ヤクザもいるじゃないですか。ゴロツキがいるじゃないですか

構想に賛同しない議員について暴言を吐いたことで最大会派の自民改革会議が猛反発。

そして…。

静岡県・川勝平太 知事(2020年1月):
これ(文化力の拠点構想)はいったん白紙に戻すのが正しいと思う

文化力の拠点構想は立ち消えとなり、図書館の移転だけが計画として残ることに。

その後、当初180億円程度とされた事業費は人件費や資材の高騰から298億円までふくれあがる一方、入札は不調となるなど、ここまで紆余曲折をたどっている新図書館。

県教委は地方創生に関わる交付金を新たに申請することで費用負担の増額分を45億円程度に抑えたい考えですが、認められるのかは現時点で未確定です。

物価高が叫ばれる昨今にあってハコモノ事業はこのまま進めるべきなのか。

肝いりの大型事業に暗雲が立ち込めています。

テレビ静岡
テレビ静岡

静岡の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。