江藤農水相の「米は買ったことがない」発言。
野党側は不信任案を出す構えを見せています。

そんな中、米農家からも厳しい声が上がっているようです。

20日朝、「イット!」がお邪魔したのは、東京都内で暮らす10人家族の伊藤さん一家。
1カ月前の取材では、平日は毎日米を5合炊いていましたが、最近、ある変化がありました。

伊藤家の母・愛さん:
(米)4合にもち麦を入れてかさ増ししている。最近もち麦米にして食物繊維を取り入れつつ、お米の消費を減らす作戦。

中学2年の次男・玖竜(くりゅう)くん:
普通のご飯よりもおいしい。食物繊維もとれる。

伊藤家のお米の消費量は月20kgほど。
4月は2万5000円になったといいます。

今後、米は安くなるのでしょうか。

農水省は20日、JAなどの集荷業者が卸売業者に米を販売した際の相対価格を発表。
4月の価格は60kg当たり2万7102円で、過去最高値を更新しました。

米の価格がなかなか下がらない中で、伊藤さん夫婦からは、ある大臣に対し「いまさら撤回とか関係ない。そのときに言っているのが本音だと思う」「根本的なコメの値上がりについて具体的にどう行動してくれるのか期待」と、怒りの声が。

米価格の対策を担う江藤農水相の18日の失言に批判が集まっています。

江藤農水相(18日):
私も米は買ったことはありません。支援者の方々がたくさん米をくださる。売るほどあります、私の家の食品庫には。

発言の撤回から一夜明けた20日、江藤農水相は会見で、ひと晩中“あるもの”を見ていたといいます。

江藤農水相:
テレビ関係のニュースはずっと見ていた。SNS系を朝、明るくなるまでずっと見ていた。国民の皆さま方がいかに憤慨されているのか。

発言を撤回した江藤農水相。
20日、国会では野党の追及が激しさを増しました。

立憲民主党・田名部議員:
お米はもらうけど、売るほどではなかった。(米を)買っているのに買っていないと嘘をついたということか。

江藤農水相:
そのように断じられても仕方がない。我が家の食品庫は2畳の広さしかない。そこに(米を)山積みにできるはずがない。

続けて、宮崎出身の江藤農水相は「宮崎はたくさんいただくと『売るほどある』とよく言う。宮崎弁的な言い方ではあった」と釈明。

江藤農水相を続投させる考えの石破首相に対しては、衆院本会議中にも野党から「農家の人をばかにしているんですか!」「辞任させるんじゃないんですか!」と厳しい声が…。

さらに、国民民主党の榛葉幹事長は「ふざけるなって話ですよ。こんな話はありえない。庶民感覚、国民感覚、生産者の思いが分からない農林水産大臣は即刻辞めるべきだ」と主張しました。

そして20日、野党側に新たな動きがありました。

立憲民主党・笠国対委員長:
江藤大臣の不信任決議案の提出の検討に入りたい。

野党側は、石破首相が更迭しなければ江藤農水相の不信任案を出す構えを見せました。

広がり続ける大臣発言の波紋。

米農家からは「早く交代させるべきだと思う。農家をつかさどる一番大事な人があんなおかしなこと言うようでは」という声も聞かれました。

江藤農水相の進退は…。
今、正念場を迎えています。

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