大阪・うめきたに設置された特設グラウンドで、視覚に障害がある人たちが活躍する「ブラインドサッカー」の国際大会が開幕しました。
観客を魅了するのはアイマスクをした選手たちの、まるで見えているかのような、スーパープレーです。
■視覚に障害がある選手と目が見えるゴールキーパーで行うブラインドサッカー
ブラインドサッカーは、視覚に障害がある選手と目が見えるゴールキーパーで行う5人制のサッカーです。
鋭いシュートをゴールに決める選手や、激しく競り合い、時には倒れこむ選手も。
そのプレーには、観客も興奮です!
【観客】「ほんとに目の見えるようなプレーをしているので迫力があってすごいなと思います」
【観客】「体と体でぶつかったり、壁にぶつかったりとかありますけどかっこいいなと」
目が見えないのに、一体なぜプレーができるのか?その理由を探るため、大阪を拠点に活躍するチーム「大阪ダイバンズ」を取材しました。
■「ボールの中でシャカシャカ音が鳴ってます」橋本アナが体験
選手が練習で見せた華麗なドリブルに、橋本キャスターは驚きを隠せません。
【橋本キャスター】「すごい。見えてるんちゃうかって思うぐらいの疑ってしまう足さばき」
耳を澄ませると、ボールからは「シャカシャカ」という音が聞こえてきました。
【橋本キャスター】「ボールの中でシャカシャカ音が鳴ってます。音を頼りにしてプレーされているんでしょうね。なんで(ボールを)止められるんですか!」
橋本キャスターが目隠しをして体験させてもらうと、かろうじて足をボールに当てることができました。
【橋本キャスター】「正直一か八かで足をだしているんですけど、ボールの音はわりとちゃんと聞こえます。近づいてくると段々大きくなるので」
■ガイドが声でフォロー 「視覚の情報を補完していくのが大切」
続いては、ドリブルからのシュート練習。「ガイド」という誘導役の声を頼りに何とか進みます!
【大阪ダイバンス・ガイド 西垣美保さん】「ゴールゴール、まっすぐ!」
【橋本キャスター】「もっと前?こっから打って大丈夫?」
【大阪ダイバンズ・ガイド 西垣美保さん】「ナイシュー」
【橋本キャスター】「入った!ガイドの指示がないとさっぱりわからないです」
ガイドがゴールまでの距離や角度、ディフェンスが何人いるのかなど声で伝えることで選手がプレーできるのです。
【大阪ダイバンズ・ガイド 西垣美保さん】「いろいろ言いすぎても選手が混乱するので重要なところだけ伝えて、あとは選手を信じて指示を出すって感じ」
【大阪ダイバンズ・松村直哉選手】「目の見えてるキーパーとかガイドがしっかりと教えてくれるのでコミュニケーションをとって視覚の情報を補完していくのが大切だと思います」
■試合は引き分けも 観客からは日本コールが沸き起こる
色々な人が混じり連携してゴールを目指すのが、ブラインドサッカーの魅力。その魅力を知ってもらうために、大阪の中心地うめきたで各国の代表チームが集まる大会が開催されることになったのです。
日本代表は開幕戦でコロンビアと対戦。
1点を先制された日本代表は、ゴールキーパーがフリーの選手を見つけディフェンスの間を通すロングパス!
ボールを受けた選手はガイドからの声に反応します。
【ガイド】「フリー!フリー!左!左!」
見事な連携プレーで、見事ゴール!同点に追いつきます。
その後も奮闘を見せた日本代表。試合は引き分けに終わりましたが、観客からは日本コールが沸き起こりました。
■「パラスポーツの発展にはものすごく意味のある大会」と監督
【観客】偶然来たんですけど、ほんとにいい時間でこれからもっと応援したくなりました」
【ゴールを決めた後藤将起選手】「 周りの声援が励みになって得点につなげられたと思います」
【日本代表・中川英治監督】「パラスポーツが身近になるっていうのが僕らの使命というか望みでもあるので、ものすごく人がいっぱい通るところで色んな方が足を止めてくれたり、たくさんの方に見てもらったり、パラスポーツの発展にはものすごく意味のある大会だと思います」
大阪の観客の声援を受けて、日本代表はこれからも勝利を目指します。
(関西テレビ「newsランナー」2025年5月19日放送)