去年8月、大津町の海外派遣事業に参加した女子中学生がアメリカのプールで死亡した事故をめぐり、事故検証委員会が16日、調査報告書を提出しました。

委員会は報告書で「水深約4メートルあったプールに対する町の危機認識と対策が十分でなかった」と指摘しています。

【事故検証委員会 中川 保敬 委員長(熊本大学名誉教授)】
「大きな原因としてはやはり、リスク管理をしっかりしていなかったことに尽きる」

この事故は去年8月、大津町が国際交流事業として姉妹都市のアメリカ・ヘイスティングズ市と行っている海外派遣事業に参加した女子中学生が現地のプールでおぼれ、死亡したものです。

町は、第三者の専門家など5人で構成される事故検証委員会を設置。

委員会は今年1月からヘイスティングズ市や大津町がまとめた記録などを基に原因などを調べるとともに、再発防止策について議論を重ねてきました。

16日は、委員長を務める熊本大学の中川 保敬 名誉教授が金田 英樹 町長に報告書を手渡し、報道陣に概要を説明しました。

報告書では「事故が起きたプールは水深が約4メートルあり、極めて危険度が高い場所での活動だった」とし、「危機認識と対策が十分でなかったことが事故の最大の原因である」としました。

さらに、プールの水深など詳しい構造を事前に把握しておらず、随行した職員にも伝えられていなかったことは「重大な問題」と指摘。

「参加した生徒にプールへの立ち入りを禁止していれば防ぐことができた」と結論づけています。

町は報告書について遺族に説明したあと、5月中にホームページで公表する方針です。

テレビ熊本
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