筆を口にくわえて描く「口筆」の画家、田中潤也さんの個展が愛媛県今治市で14日から開かれています。
鈴木瑠梨キャスター:
「しまなみ海道に、オランウータンなど動物をモチーフにした作品など、繊細な筆づかいと、色鮮やかな作品がずらりと並んでいます。なんだか心温まります。」
今治市古国分で開催されている個展「ONAIR」作品を手掛けたのは、伊予市出身の田中潤也さん(26)です。
田中さんは小学2年生の時に交通事故に遭い、頸椎を損傷。首から下を動かすことができなくなりました。小学校の先生のアドバイスで筆を口にくわえて習字を始めたのをきっかけに絵も描くようになったといいます。
会場には、地元・伊予市の風景を描いた作品や、好きなアーティストからインスピレーションを得た作品など、22点が展示・販売されています。
15日は田中さん本人が、作品について解説するギャラリートークのイベントも、行われました。
ヘッドフォンで音楽を聴くオランウータンを描いた作品のタイトルは、「Heals my Heart」。
田中潤也さん:
「今の時代、しんどい思いや、やるせない思いをされている方が結構多いと思うんですけど、人それぞれの色々な場面で音楽聞くと思うんですけど、癒しの音楽だったらいいなと思って、この絵を描きました。」
また、こちらの作品は「下灘駅を描いた絵です。」
田中潤也さん:
「夕方の様子を描いたんですけど、きょうが悪くても、あしたがあるんだよ、みたいな意味合いで描いた作品になります。」
空や海の色を細やかな筆づかいで表現し、1ヶ月半ほどかけて、完成させた作品です。一つ一つの作品にメッセージを込めながら描いています。
来場者:
「とても感動しました。一筆一筆が色使いとか、心がこもっていて。」
来場者:
「田中さん自身もしんどい思い、苦しい思いをされてきたと思うんですけど、その中で見えてきたものも色々あったと思うんですよね。それがこの絵に表れているなと思いますね。」
田中潤也さん:
「来ていただける方々に、手紙のような作品を受け止めていただけるとありがたいなと思います。」
田中潤也さんの個展は5月20日まで開かれています。
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