能登半島地震と奥能登豪雨で2度にわたって集団避難した福祉施設が輪島市内にあります。今月元の施設に戻る計画ですが今、ある課題に直面しています。

グループホーム「ひなたぼっこ」。
認知症を患い、要支援2以上の高齢者を受け入れる福祉施設で18人が暮らしています。施設は能登半島地震と豪雨災害で2度にわたって被災し、現在は別の施設に集団避難しています。
今月下旬にようやく元の施設に戻るめどがたちましたが新たな課題に直面しています。

ひなたぼっこ所長 高橋さん:
「介護する側の人員不足ですね。この地震や水害でも勤められなくなった人もいるし、休職した人もいるし。人手足らないんです正直言って」

地震の前には20人いたスタッフが今は13人に。スタッフ1人あたりの夜勤のシフトも増え、最低限の人員でやりくりしていると言います。

スタッフ 坂本沢美さん:
「やっぱり見守りが不足というか、いつ(入所者)が転ぶか分からないので」

スタッフの坂本さん、69歳。この施設の立ち上げからのメンバーです。

スタッフ 坂本沢美さん:
「いつ辞めてもいいような歳なんですけど、この状況を見るとどうしてもね。辞めさせてくださいなんてなかなか言えないかな。もっともっと若い人に現場に入って欲しいんですけどね」

さらに別の課題も・・・

「お金うんぬんじゃなくて、能登がこういう風に人を必要としているということが発信されないと、全国的に人手不足ですから、その中に無理を言ってでてくる理由が立たない」

災害救助法の期限が切れたことで被災地という扱いではなくなり全国の福祉施設にスタッフの応援を求めることができなくなったと言います。そんな中で助けられているのが…

「彼女がこうやって間接業務というのかな掃除とかしてくださることで、その空いた時間に直接ケアみたいなことができる」

高齢者などが働き手として、負担の少ない作業をサポートする能登復興推進隊です。週3回、施設に来てもらっています。

「大変だよね。いつもありがとうございます。きれいにしてもらって助かる。本当にトイレとか手が回らなかったです。掃除」

「ひなたぼっこ」の入所者は今月27日に元の施設での暮らしを再開しますが人手不足解消のめどはたっていません。

石川テレビ
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