「サキドリ」のコーナー。担当は、矢野寛樹ディレクターです。

【矢野寛樹ディレクター】
このコーナーでは、今知りたい、旬の情報をお伝えします。

今回の「サキドリ」は「転職の伴走型支援」

去年の転職希望者、全国で厚生労働省の調査では、およそ1000万人いたんです。

「およそ1000万人」今、様々な理由で転職したい人、転職する人が増えています。
転職を支援する施設は、様々あるんですが、広島県が運営している施設もあるんです。
転職の最前線をサキドリします。

厚生労働省が調査した全国の転職希望者と転職者の推移を見ると、近年、転職希望者は、右肩上がりに増加し、一昨年、ついに、1000万人を超えました。
一方、転職者の数は、2017年から、2年間で急増し、2019年からの2年間は急激に減少しました。
これは、コロナ禍の影響が大きいと思われます。
しかし、コロナ禍の収束と共に、再び、増加に転じて、去年は、331万人とピーク時の2019年に迫る勢いです。

【はたすて 事業マネージャー 市川利男 副支店長】
「ある程度のキャリアを積んで転職できる人は引く手あまたです。転職サイトに登録するとどんどんスカウトがきて、色々な所からオファーがきますが、転職したいけどオファーがこない人も大多数 特に氷河期世代を中心にいて」

県が運営する求職者と企業の求人を橋渡しする相談窓口、「働きたい人全力応援ステーション」通称「はたすて」
県内には、広島市と福山市に、相談窓口が設置されています。

【はたすて 事業マネージャー 市川利男 副支店長】
「年間1000人から1200人くらいの人に相談に来ていただいていますが、18歳から80歳くらいまで様々な年代の人が来ています」

許可を頂いて、カウンセリングの様子を撮影させて頂きました。

<カウンセリング>
「面接のときに難しいのではないかと言われたので、落とされるんだなと思った」

Q:その時どう言った?
「大丈夫です。頑張ります。と言ったんですけど」
Q:面接は何か聞かれました?
「志望動機と資格を持っていたので、なぜその資格職をいかさないのか」

昨年度の施設の利用者は、およそ1000人。
そのうち、半分の500人ほどが就職しています。
利用者には、スタッフがマンツーマンの伴走型で向き合います。
キャリアコンサルタントの工藤さんに聞きました。
転職の理由で、1番多いのは何なのでしょうか?

【はたすて キャリアコンサルタント 工藤久美さん】
「私が対応したケースでは人間関係が多いです。実際(会社に)入ってみたら仕事の内容が違って、条件が違っていたとか、思っていた仕事の内容と違ったとかそういった人の相談もよく受けます」

工藤さんによると、相談に来る人は、深刻な状況の人も多いと言います。

【はたすて キャリアコンサルタント 工藤久美さん】
「ちょっと自信を無くしている人は増えています。なぜそう思っているのか、これから本人がどうしたいのかなどを丁寧に聞いていくようにしています。でないとその人にとって同じことの繰り返しになってしまう可能性もある」

面談の時間は、1回、50分とかなり長目になっています。

【はたすて 事業マネージャー 市川利男 副支店長】
「50分といっても長い人は1時間半くらいカウンセリングするケースもあるし、1回でカウンセリングは終わらないので、だいたい1週間に1回面談すると想定して約2か月」

面談を重視するのが、「はたすて」のスタイル。
このカウンセリングが、大事になってくると言います。

【はたすて 事業マネージャー 市川利男 副支店長】
「面談から始めて、これまでの職歴の棚卸しや、これからどのような道に進みたいのか正社員で働きたいといっても正社員としてどのような活躍ができるのかまで深堀してキャリア形成の所までしっかりと寄り添って支援しています」

自分自身を見つめるカウンセリングは、現在の自分の立ち位置を知ることに役立つと言います。

【はたすて キャリアコンサルタント 工藤久美さん】
「私が支援した人の中では、今の仕事を続けますという人も10人くらいいます」

転職に向けて面談を進めていく中で、工藤さんたちが大切にしていることがあります。

【はたすて キャリアコンサルタント 工藤久美さん】
「こういう仕事はどうというのは、こちらからの押し付けや決めつけになってしまうので、求人を何度か面談した後に情報共有することはありますが、それに対して本人がどう思うのか、本人が応募したいのか、できそうかを聞きながら進めていきます」

コンサルタント1人が担当する利用者は、年間、平均、およそ100人です。
去年は、転職希望者の6割ほどが就職しました。

【はたすて キャリアコンサルタント 工藤久美さん】
「長い人は1年以上相談に来る人もいます。本人が新たな1歩を踏み出す時が、我々も一番やりがいを感じる時です」

人手不足で求職希望者に有利といわれる現代ですが、選べる時代だからこそ、仕事のミスマッチを防ぐことは大切です。

【はたすて 事業マネージャー 市川利男 副支店長】
「転職するのに方向性が合っているのかということは意外と自分の世界の中で考えている人が多いので、自身で悩まずに気軽に相談してもらえたらいいと思っています」

<スタジオ>
みんながみんな希望したからといって、転職しているわけではないんですね。
 
【矢野ディレクター】
言われているほど簡単ではないようですし、「自分を見つめる」やっぱり今のところでもっと頑張ろうと思う人もいます。

【コメンテーター:エディオン女子陸上部アドバイザー・木村文子さん】
「自己分析ってすごく大事だと思うんですけど、何事においても私達トレーニングもそうなんですけど、客観的な意見というものも入れた上で、さらにまた自己分析を深めていくっていうことがなされるんじゃないかなというふうに感じます」

テレビ新広島
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