女子サッカー・なでしこリーグで起きたセクハラ疑惑が泥沼化の様相を呈しています。
14日午前、「セクハラはなかった」とする監督側が会見を行いました。

井上裕貴弁護士:
JFAの方から、ブラジル人選手らが告発を行った“ハラスメント行為”については存在しないので懲罰しない決定が出たので、皆さまにご報告させていただければと。

事の発端は2024年11月、女子サッカーなでしこリーグ2部ディオッサ出雲FCに所属していたブラジル人選手2人による告発でした。

スぺナザット・ラウラ選手(2024年11月):
私たちは、いじめやパワハラの奴隷になるために日本に来たわけではありません。

2人は練習や試合でミスすると、チームの監督である堺陽二氏がポルトガル語で性的な発言を繰り返すなどセクハラを受けたと主張。
更に、監督が選手たちの出入りする倉庫に下着を干し、選手が抗議したものの改善されなかったといいます。

更に、通訳に関して契約時の約束とは異なり、週に1回ほどしか手配されなかったと訴えました。

2人が通訳などについて改善するよう監督に求めると、「だったらお前ら(試合に)使わないよってなっちゃう」と言われたといいます。

その後、2人は医師から「うつ状態」との診断を受け、チームを離れました。

スぺナザット・ラウラ選手(2024年11月):
頭痛で眠れないです…。帰国したくなります。

タイス・フェヘ選手(2024年11月):
大好きなサッカーができず、フラストレーションを感じてしまいます。

2人は日本女子サッカーリーグに告発文を提出。
一度は堺監督に「6カ月間以上等の重罰」を科すべきだという判断が下ったものの、日本サッカー協会から4月、物的証拠がないため処分を科さないと返答があったということです。

こうした動きを受け、告発から5カ月が経った12日、選手側の代理人弁護士がオンラインで会見し、慰謝料を請求するため提訴する考えを示したのです。

元選手の代理人・藤塚雄大弁護士:
監督がポルトガル語の性的な侮辱発言を少なくとも発したことは監督自身も認めているわけですから、責任を認めていただきたいと。

これに対し、監督側の弁護士が14日、更なる反論会見を開いたのです。

堺監督側の代理人弁護士・井上裕貴弁護士:
「この試合でスラング(不適切発言)が発せられた」という主張があったので、私も内容確認させていただいておりますが、そういうスラング(不適切発言)を発言しているということは一切ございませんでしたので、ブラジル人選手たちの言っていることは、ありていにいうと“うそっぱち”です。

訴えを“うそっぱち”としたうえで、「他の日本人選手たちから、ハラスメントがあったということは、一人もそういうことをおっしゃられる人はいなかったので」と話しました。

一方で、堺監督がポルトガル語で性的な発言をしたこと自体は認め、「元々はブラジル人選手たちがよく使っていたんです。他の日本人選手たちに、こういうスラングがあるということを教えていたりだとか。促されて、監督としては発言したことはあると」と経緯を説明しました。

また、堺監督側の弁護士は、チームを退団した2人から謝罪がなかった場合、名誉毀損での訴訟を検討しているといいます。

なでしこリーグで泥沼化するセクハラ疑惑。
事態が収束する日は来るのでしょうか。

TSKさんいん中央テレビ
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