80年前のきょう、『旧陸軍菊池飛行場』は米軍による空襲を受け、多くの犠牲者を出しました。

菊池市では13日、慰霊祭が営まれ、参列者たちが平和への思いを新たにしました。

【参列者】
「戦争があったということ、してはいけないということを忘れてほしくない」

80年前のきょう、1945年・昭和20年5月13日。

菊池市泗水町はアメリカ軍による空襲を受けました。

太平洋戦争末期、この地域には特攻隊の中継基地としても使われていた県内最大規模の飛行場『旧陸軍菊池飛行場』があり、それが標的となりました。

この空襲で、少年兵34人を含む69人が犠牲になったとされています。

【父・祐助さんが空襲を経験 前田 祐一 さん】
「私の父、前田祐助もこの空襲を体験し、九死に一生を得たその日の夜に、まさにこの地のこの道路で同期生たちの遺体数十体を自ら火葬したそう。(父が)繰り返し言っていたのは、『平和が一番。戦争というのはしょせん、人と人との殺し合いだから』ということだった」

13日営まれた慰霊祭で祈りの言葉を捧げた前田 祐一 さんです。

2年前に他界した父・祐助さんは生前、慰霊祭で次のように話していました。

【前田 祐助 さん(生前・10年前の慰霊祭)】
「70年前に散った戦友の前に私は生き延びて立っている」

防空壕に避難し助かった祐助さんですが、別の防空壕に逃げ込んだ同僚は爆撃の犠牲となりました。

【前田 祐助 さん(生前・10年前の慰霊祭)】
「34人の遺体を運び出し、油をかけて火葬した」

祐助 さんの思いは今、息子へと受け継がれています。

【父・祐助さんが空襲を経験 前田 祐一 さん】
「平和を守っていくために、忘れてはいけない父や同僚たちの経験だったと思う。そういうことがあったという事実を次の世代にしっかり伝えていかなければならないという使命感を改めて持った」

空襲からきょうで80年。

参列者たちは犠牲になった人たちの思いを胸に平和への決意を新たにしていました。

テレビ熊本
テレビ熊本

熊本の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。