去年から運行トラブルが相次でいる熊本市電についてです。
13日から安全管理に関する職員研修が始まりました。
【尾谷 いずみ キャスター】
「毎年この時期に行われているという安全管理研修。これまでは監督職などが中心でしたが、今年初めて全職員を対象に実施されることになりました」
熊本市電は去年1年間で16件の運行トラブルが続き、今年3月には市電同士の追突事故が発生、乗客14人が重軽傷を負いました。
安全管理研修、初日のきょうは交通局職員約200人のうち30人ほどが参加しました。
講話を行ったのは去年交通局が設置した外部委員による検証委員会で会長を務めた吉田 道雄 熊大名誉教授です。
吉田 名誉教授は、検証委員会で『コミュニケーション不足』を指摘していました。
【吉田 道雄 氏】
「正しいことを正しく伝えるのは当たり前のこと。ところが正しいことを正しく伝えるだけではコミュニケーションは成立しない。関係がまずいと正しいことが伝わる確率が落ちるだけでなく、逆に解釈される」
吉田名誉教授は、「『基本』は守らなくても問題が起きない確率が高いため守らない状況に慣れてしまう」とした『基本の特性』に触れた上で、「小さなことでもお互いにやると決めて繰り返してほしい。〈今更〉ではなく、〈今こそ〉という気持ちでやってほしい」と職員を激励しました。
【職員(車掌)】
「今日やったことの確認、明日こうしていこうと思いを新たにすることを自分のルーティンに入れていこうと思った」
【職員(レール管理・補修)】
「当たり前にしている作業の中で意思疎通の声出し確認をきっちりやっていこうと思った」
研修は5月20日まで開かれ、全ての職員が参加し、安全の構築に取り組みます。