元プロ野球選手で鳥取市にUターンし、米づくりに取り組んでいる川口和久さんが、鳥取大学に特別講師として招かれました。
農業を学ぶ学生に異色の転身を通じて知った農業の魅力について話しました。
元プロ野球選手・川口和久さん:
(自分が作ったコメを初めて食べた時は)炊飯器から炊きあがる湯気が心地よくて、何杯も食べてしまった。この喜びというのは、農業をやる中で皆さんにも持っておいてほしい。
鳥取市の鳥取大学で農学部の約60人の学生を前に話すのは、鳥取市出身の元プロ野球選手の川口和久さん。米づくりの楽しさを熱く語りました。
プロ野球の広島と巨人で投手として活躍、引退後も解説者を務めるなど、長年野球界に身を置いていた川口さんは、4年前にふるさとの鳥取市にUターン。実家近くの休耕田を借り、兄とともに米づくりを始めました。
そんな「異色の転身」を経験した川口さんだからこそわかる農業の魅力を学生に伝えてほしいと、鳥取大学が特別講師として招きました。
川口和久さん:
決まり事を決まり事のようにやって、じゃあ良い米ができるかという保証があると思いますか?でも自分が良いな、これ入れようと。新しいことをして良い米ができた時に、よしっとなる。
米づくり1年目は失敗の連続だったという川口さん。周りの人から「そのやり方ではうまくいかない」と言われたことも少なくなかったといいます。
それでも1年目は、自分なりに技術を研究、「グッチ流」の米づくりのノウハウを見い出せたことで、2年目は満足いく結果につながったと振り返り、学生たちに「失敗を恐れないことが大切さだ」と伝えました。
約30分の熱い講義…締めくくりは…。
川口和久さん:
(自分が)作ったお米を皆さんに食べてほしい。
おにぎりの試食でした。食べて知るのが一番早いと、川口さんが自ら育てた「星空舞」のおにぎりを用意しました。
川口和久さん:
うまいなあ、一粒一粒を感じるわ。
参加した学生:
農業は堅苦しいイメージがあると思うんですけど、いろいろな経験をしている方が始めやすいという今の状況をすごく感じました。
参加した学生:
誰でも最初できるわけじゃないという考えを、間近で成功している人から聞けてこういう気持ちの持ち方が何においても大事なんだなと思いました。
川口和久さん:
学生たちもまだまだ勉強の時期だと思いますし、農学部ですから農業の方向性を決めかねていると思うので、この1時間の講義が有益なものになればなと思います。
人生第三のステージを迎えても現役時代と変わらぬ情熱で米づくりを「楽しむ」川口さんの言葉は、農業の未来を担う学生にとって大きな刺激となったようです。