2019年に米子市の鳥大医学部附属病院で行われた医療ロボットを使った手術で、患者の脳に重大な障害がおきた医療ミスについて、14日に病院側が患者側に1億5000万円を支払うとする和解が成立しました。
この医療ミスは、2019年4月に当時23歳だった米子市在住の男性が、鳥取大医学部附属病院で、胸に出来た腫瘍を摘出する手術の際に起きたものです。
手術は、「ダヴィンチ」と呼ばれる最新の医療ロボットを使って行われましたが、手術中に、胸から脳に直接通じる動脈を誤って切り、大量出血が起こるなどしました。この影響で、男性は脳に重い障害がおこり、会話が十分にできなくなるなど日常生活に大きな支障をきたす後遺症を背負う事になりました。
このため男性は、病院側を相手取って鳥取地裁米子支部に損害賠償の訴えを起こしたもので、14日に男性の代理人弁護士が、裁判所の勧告に従って和解が成立したことを公表しました。
高橋真一弁護士:
鳥取大学医学部附属病院にて、ダヴィンチ手術が実施され、その際に大きな医療事故が発生しました。本日1億5000万円で和解しました。
そして今回の事案を踏まえ、改めて現代医療に警鐘を鳴らしました。
高橋真一弁護士:
ダヴィンチ手術であっても人間がやることによってミスが起こるという事を再認識していただかなければいけない。
この和解について病院側は、TSKの取材に対し「再発防止に努めるとともに、今後とも地域の皆様に信頼される、安全で満足頂ける質の高い医療の提供に最大限努力してまいります」とコメントしています。