海の資源の回復に向けた取り組みです。香川県内のイイダコの漁獲量の推移を示したグラフを見ると、2002年には約200トンあったものが2024年は約2トン、100分の1にまで減少しています。グラフで見ると激減具合が際立ちますね。

こうした状況の中、イイダコの数を増やそうと、5月13日、高松市沖の瀬戸内海でイイダコの卵が放流されました。

こちらが放流された「イイダコ産卵床」と呼ばれるメスのイイダコと卵です。産卵前のイイダコと貝殻を一緒に育成し、貝殻に卵を産み付けさせたもので、約40個が準備されました。

イイダコは、餌の減少や乱獲などで数が激減していて、産卵床の育成と放流は、イイダコの数を増やそうと香川県などが2021年から取り組んでいます。13日は、高松市の庵治漁港を出た漁船が産卵床とふ化したイイダコの隠れ場となるシェルター2個を一緒に放流しました。

シェルターの放流は今回が初めての取り組みで、13日に放流された約1万個の卵の成長にどう影響するかを調べる狙いもあります。

(庵治漁協底曳網部会 額田善光部会長)
「イイダコが近年絶滅に近いような状態なので、昔までとは言わないがどうにか回復させたい思い」

(香川県水産課 湯谷篤主任)
「シェルターの1つは1カ月程度海に沈めて、イイダコの餌になる生き物がついたもの。もう1つは新しいものを用意して、それを比較して、どちらが生き残りがいいかを調べる」

イイダコの卵は、5月中にふ化が始まるということで、2025年7月にシェルターを引き揚げて成育状況などを確認することにしています。

岡山放送
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