なぜ女性は狙われたのか 介護施設元職員が利用者から500万騙し取った事件 被害者家族が悪質手口を告発
大阪府八尾市の介護施設の元職員が、施設を利用していた女性から現金500万円を盗んだ疑いで逮捕された事件。
一体なぜ女性は狙われたのか。
被害者の家族を取材すると、悪質な手口が見えてきました。
■一生懸命働いて貯めたお金を騙し取られ…
これは、被害にあった女性の銀行口座の明細です。
多い時には1回に50万円。
およそ1か月で、13回に分けて引き出された総額は500万円にも上ります。
【被害者の家族】「おばあちゃん。一生懸命働いて、老後のためにって思って貯めたお金をこのような形で失うことになって。信用していた方だったし、残念に思って。とても悲しい」
やりきれない気持ちを語った被害者の家族。
一体、何があったのでしょうか。
■認知症女性を騙しキャッシュカードで現金引き出し
5月、窃盗の疑いで逮捕された増永俊治容疑者(68)。
八尾市の介護施設の元職員で、施設の利用者を送迎するドライバーをしていました。
警察によると、増永容疑者は、去年11月から12月にかけて施設を利用していた80代の女性のキャッシュカードを使い、口座から現金500万円を引き出し、盗んだ疑いがもたれています。
被害にあった女性は認知症の診断を受けていて、およそ3年前から増永容疑者が務めていた介護施設に通っていました。
■送迎の車内で言葉巧みに個人情報聞き出す
女性の親族によると、増永容疑者は、送迎の車の中で、女性にこう話したと言います。
「お金を貸してほしい」
【女性の家族】「ドライバーさんとおばあちゃんが2人っきりになる時間があって、その時間にお金ないねんとかお金貸してとか、おばあちゃん、どんだけ資産があるのっていうのを聞き出してたようで。」
送迎の車内で女性にキャッシュカードや通帳を渡すよう促していたという増永容疑者。
車で女性を銀行のATMまで連れていき、暗証番号を聞き出していたということです。
■「信用していたのに許せない」被害女性家族の怒り
家族が被害に気が付いたのはことし1月。
家族で集まっている時に、増永容疑者から女性にかかってきた電話がきっかけでした。
【女性の家族】「明日、孫が来るんかとか娘が来るんか?来ないなら行こうかなみたいな感じのあのお電話があって。不審じゃないですか」
その後、家族が女性の口座を確認すると、身に覚えのない額の現金が引き出されていました。
【女性の家族】「毎日送迎してもらって、お世話になってる人だし、信用して(キャッシュカードを)渡してしまった。許せない」
信頼して通っていた介護施設の職員から現金を盗まれたとみられる今回の事件。
警察は、増永容疑者の認否を明らかにしていません。
(関西テレビ「newsランナー」2025年5月13日放送)