仙台市青葉区にある東北労災病院の富谷市への移転が先週、白紙となったことを受けて、5月12日、富谷市と周辺の町と村が新たな総合病院の誘致を求めて、宮城県に支援を要望しました。

県が主導した4病院再編構想をめぐっては、5月9日、青葉区台原にある東北労災病院の富谷市への移転が経営環境の悪化を理由に白紙となり、現地存続が決まりました。

これを受けて12日、富谷市、大和町、大郷町、大衡村の4市町村長が県庁を訪れ、東北労災病院に代わる総合病院の誘致に向けた支援を求め、県に要望書を提出しました。

黒川地域は、搬送にかかる時間が県平均の41.7分を上回る44.8分で、要望書では、黒川地域に救急・急性期を担う総合病院が不可欠だと訴えています。

富谷市はすでに病院予定地として明石台地区の土地の取得を進めていて、6月にも仙台医療圏の病院を対象に、公募を始める予定だということです。

富谷市 若生裕俊市長
「長年、救急搬送で富谷黒川地域が最も時間を要する状況で、搬送中に心肺停止になる人がいて、命をなくされる。これは本当につらいこと。我々にとって一番」

宮城県 村井知事
「一緒に話を進めてきたことを考えると、しっかり支援していかなければならない」

一方、12日は4病院再編構想に反対する市民団体が会見を開き、県の対応を批判しました。

東北労災病院を守る会 小玉高弘事務局長
「5年もの間、県民を惑わせてきたという状況が続いた、県や知事の責任は極めて重いものだと思う」

仙台放送
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