ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアのプーチン大統領にトルコでの首脳会談を呼びかけました。
プーチン氏は11日の会見で、ウクライナ侵攻を巡り前提条件なしに5月15日にトルコのイスタンブールで直接交渉を再開することを提案しました。
この提案に対して、ゼレンスキー大統領は自身のSNSで「あす(12日)からの停戦を期待している。ロシアからの明確な回答を待っている」と投稿し、ウクライナとイギリスやフランスなどの西側諸国が求めている12日からの30日間の停戦を改めて求めました。
その上で、プーチン大統領に首脳会談に応じるよう呼びかけました。
ウクライナ・ゼレンスキー大統領:
私が今週木曜日、5月15日にトルコを訪問しプーチンを待つ予定だ。
また、ゼレンスキー氏は「今回はロシア側が逃げ道を探さないことを願っている」とも述べていて、会談が実現するか注目されます。
プーチン大統領とゼレンスキー大統領の直接会談が実現するのか、停戦交渉が進展するのか注目されているんですが、ロシアのプーチン大統領は11日の会見で、5月15日にトルコのイスタンブールで直接交渉を再開することを提案すると発言しました。
一方でゼレンスキー大統領はトルコを訪問してプーチン大統領を待つ予定だということで、直接トルコに行くことをゼレンスキー大統領は表明しているわけです。
――プーチン大統領についてですが、会談に出席するかどうか読めないんですが、どのようにみていますか?
SPキャスター・橋下徹氏:
正直分からないんですけど、僕としては“とにかくトップが会う”。会わないことには話が進みませんから。実務者レベルとかだと停戦の話にはならないので、トップ同士が会うことをとにかく願っています。
――プーチン氏はトルコに来るのか?
フジテレビ・立石修解説委員室長:
実はロシアとウクライナの関係者が水面下で協議を進めているという話もあって、プーチン大統領が出席する可能性はゼロではないと指摘する外交関係者もいるんです。ただし、3年前にトルコで両者の直接協議が行われた際は、ラブロフ外相とクレバ前外相とのハイレベル協議だったと。今回もそれに準ずる形になると考えるのが妥当かと思うのですが、こればかりはプーチン大統領の胸先のことまでは分からないですね。
――ゼロじゃないけれども、来た場合どういう交渉がある?
フジテレビ・立石修解説委員室長:
これは閣僚協議とは明らかに性質が異なると。橋下さんもおっしゃっていたように言葉の重みが違ってきます。いい方向になるか悪い方向になるか分かりませんが、決定的な進展があることが考えられます。
では、そもそもなぜプーチン大統領がトルコでの直接交渉を提案したのか。
その背景を見ていきたいと思います。
イギリスなどのヨーロッパ4カ国とウクライナが10日に、アメリカが提案していた30日間の無条件停戦を12日から履行するようにロシアに要求していたんですが、プーチン氏はこれについては言及していませんでした。
そして、アメリカはロシア側が拒否した場合には追加制裁を科すというふうに警告をしていて、ロシアの対応が今まで焦点になっていたわけです。
――30日間の停戦はロシアとしてはのめないけれども、追加制裁は嫌だから直接交渉を提案したことになるのでしょうか?
フジテレビ・立石修解説委員室長:
ウクライナや欧米が呼びかけている停戦は、無条件での30日間の停戦であると。一方で、プーチン大統領は停戦と引き換えにウクライナの弱体化などの条件闘争を狙っているんですね。そのため、時間稼ぎ、自分たちの意見を言う場を作りたいという狙いがあるのかもしれない。一方、追加制裁への警戒もあると思います。今、アメリカが考えている追加制裁案は、ロシア本体ではなくインドや中国といったロシアと貿易を行っている国に対して500%もの関税を課すという案。そうなると、その国はたまったものではないですよね。ですので、第三国からの圧力もプーチン大統領にはかかる可能性があります。
その中でトランプ大統領の動きも気になってくるわけですが、実は13日から、ロシアから遠いとも言えないサウジアラビアなどの中東を訪問する予定になっています。
――トランプ大統領、和平の鍵となってくるのでしょうか?
SPキャスター・橋下徹氏:
僕はものすごいキーマンだと思います。プーチン大統領はトランプ大統領を意識していることは間違いないですからね。もちろんトランプ大統領はいろんな批判がありますよ。自由主義・民主主義・平等主義・人権を無視してるというのはそうなんですけど、一歩外に出れば、われわれの世界と違う、自由とか平等とか人権が通用しないリーダーがごろごろいるわけで、そこにトランプ氏は働きかけをし、ある意味、西側諸国のリーダーでは言えないようなプーチン氏寄りな発言をしている。プーチン氏からすれば、トランプ氏の時機を逸すれば自分のチャンスはないぐらいに思っていると思います。
――サウジアラビアに行くわけですが、会うってことはないですか?
フジテレビ・立石修解説委員室長:
プーチン大統領と会うということですか。そうなると本当にドラマチックな展開になりますよね。物事が大きく動く可能性はあると思う。今は何とも言い切れないですが、トランプ氏も次の手が読めない人ですよね。
まずは13日のサウジアラビアに注目です。