石破首相は12日の衆院予算委員会で、コメの価格高騰が続いている原因について、コメの生産そのものの減少を挙げ、根本的な対策としてコメを増産した上で、それにより米価が下がっても農家が生活に困らないための環境整備が必要だとの認識を示した。
委員会で国民民主党の村岡敏英議員は米価高騰について、「ここまで高いとコメ離れが始まってしまう」と指摘し、「受給の見誤りがあったとしか考えられない」と政府に苦言を呈した。その上で農家の所得を直接補償するとともに、コメ価格を消費者が安心して買える値段に下げる農業改革が必要だと指摘し、石破首相の見解を尋ねた。
石破首相は「コメの生産が随分と落ちてきて、農家の数も減って、農地も減ってきた」と指摘し、「今回の色々な状況というのは、もちろん目詰まりを起こしているということもあるが、コメの生産がそもそも少なくなってしまったのではないかということを議論していかねばならないと思っている」と述べた。
その上で「それによって仮に米価が下がることがあっても、農家の生活が困らないためにはどうすればよいのか。再生産(営農継続)を可能にするというのはキーワードだが、どなたの再生産を可能とするのか。農地を出した農家の方々の所得が増えるためにはどのような策を講ずるということであって、米の値段を下げることは一切許さんという議論はもう1回見直してみるべきだと思う」との認識を示した。
石破首相はさらに「所得補償はのべつまくなしに行うということではない。価格は市場によって決まる。しかし所得は政策によって確保していくことをどうやって両立させていくか」が重要だと指摘し、海外への販路拡大とマーケティングの推進を含め、「日本の米を守る、農業を守るために、新たな施策を展開をするための議論を賜りたい」と呼びかけた。