中学校・高校への進学で自転車に乗り始めたり、通学路が変わったりした人も多いと思う。そこで気を付けてほしいのが自転車の事故。2026年4月には罰則も強化される予定で、今一度、気をつけなければいけないルールに注目する。

■“恐怖”を目の当たりにして
福島県伊達市の霊山中学校で行われた交通安全教室。スタントマンが実演した自転車事故の恐怖を、生徒たちも息をのんで見つめた。
生徒は「ちょっと怖かった。自分も自転車に乗るので、周りを見て歩行者や車に気を付けながら乗りたい」と語る。

■子どもたちには身近な事故原因に
警察庁によると、児童・生徒の自転車事故で命を落としたり大きなケガに至ってしまったものは、新学期が始まる4月だけでなく6月にかけて増加する傾向だ。
福島県内でも2024年の一年間に交通事故でケガをした中高生のうち、6割ほどが自転車走行中で、子どもたちにとってはごく身近で起こりうる事故でもある。
伊達警察署の森田孝男警部補が「自転車に乗る際は交通ルールの順守、あとは自分の身を守るためのヘルメット着用をお願いしたい」と話すように、法律の改正により2年前からヘルメットの着用が努力義務化されるなど、命を守る制度づくりが進められている。

■ヘルメット着用をルール化
万が一の場合に命を守るのが、ヘルメット。半数以上の生徒が自転車通学だという、福島県須賀川市の清陵情報高校では、2025年春に入学した1年生からヘルメット着用をルール化した。
ヘルメット着用について生徒からは「自分の身を守るためにつけている。義務化というか、みんなつけた方が良いと思います」「普通だったら罰金とかあるけど努力義務なので、普及しないのはそういうのがないからなのでは」との声が聞かれた。

■未着用 死亡率1.6倍に
交通事故総合分析センターによると、自転車の事故でヘルメットを着用していない場合の死亡率は着用していた場合の1.6倍にものぼる。
この高校では、着用ルールを守らない1年生を見かけたら厳重注意。一方、上級生については、ヘルメットの購入負担を入学当初から周知していなかったことなどから、学校としてルール化はできず着用が浸透しないのが課題となっている。
生徒指導主事の大橋徹教諭は「できるだけ自分の安全を確保する・命を守るということで、しっかりヘルメットは着用して登下校してもらえたら」と話した。

■2026年4月から「青切符」
自転車をめぐっては今後ルールが大きく変わる予定だ。これまでも、酒酔いや妨害などの悪質な運転への「赤切符」はあったが、さらに2026年4月からは「青切符」=反則金による取り締まりが始まる。違反の対象は113種類もある。

■違反対象は113種類
その一部が、携帯電話を使用しながら自転車を運転する「ながら運転」は1万2000円、一時不停止は5000円など。大半が原付バイクと共通だが、自転車特有の違反対象もある。傘さし運転は5000円、並んで走行や二人乗りは3000円。

自分の身を守るヘルメットなどの装備はもちろん、事故に巻き込まれない、相手にケガをさせないための安全運転も大切となる。自転車も車両の一つということを意識して、正しいルールを守って使っていきたい。

福島テレビ
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