岐阜県美濃市の小学校では、1年生と2年生の通知表が廃止されることになりました。愛知・岐阜・三重で廃止している小学校は他にありませんでしたが、違った取り組みをしている自治体もありました。
美濃市では、5校あるすべての市立小学校で、2025年春に入学した1年生の通知表を廃止し、2026年度以降は2年生も廃止します。
これまでは教科ごとに、二重丸・丸・三角の3段階の評価をしていましたが、ほかの児童と比べることによる勉強への苦手意識や、劣等感を抱かせないようにする狙いだということです。
ほかの自治体の取り組みでは、愛知県常滑市は、小学校1・2年生の通知表を3学期だけにしているということです。これは美濃市の考えと同様に、低学年は発達段階の差が大きいことへの配慮だといいます。
三重県伊勢市では、1年生の1学期だけは、3段階評価ではなく「〇」と「△」の2段階評価にしているということで、子供の発達について考慮した取り組みが広がりつつあるようです。
学校教育に詳しい名古屋大学大学院の内田良教授は、美濃市の通知表廃止についてこう評価しています。
名古屋大学大学院の内田良教授:
「一つの学校が通知表をなくす取り組みはあったが、市全体では全国的に珍しく、画期的な取り組み。学校が評価そのものをやめたわけではなく、『通知表という形で子供に伝えることをやめた』と理解すべき」