太平洋戦争末期に動員された学生などを慰霊する、沖縄県のひめゆりの塔の展示について、自民党所属で京都選出の西田昌司参議院議員が、「歴史の書き換えだ」などと発言したことについて、9日午後記者会見し、「丁寧な説明なく、ひめゆりの塔の名前を出して講演したこと自体、非常に不適切だったと痛切に感じた」と述べ、沖縄県民や関係者に謝罪しました。
また「発言したところは訂正・削除させていただきたいと思います」と発言を撤回する意向を示しました。
■西田参院議員の発言の内容 その後の経緯は
自民党の西田昌司参議院議員は、5月3日、那覇市での講演で、ひめゆりの塔の沖縄戦に関する記述について、
「日本軍が入ってきてひめゆり隊が死ぬことになった」
「アメリカが入ってきて沖縄は解放されたという文脈で書いている」
「歴史の書き換えだ」
などと発言しました。
ひめゆりの塔は、80年前の沖縄戦で犠牲になった「ひめゆり学徒隊」と教師を悼む慰霊碑で、資料館と合わせ、戦争の悲惨さを象徴する場所です。
資料館の普天間朝佳館長は、「これまでの展示や体験者の証言の中に、西田議員が言っていたような記述や表現は一切ない」と断言していました。
【ひめゆり平和祈念資料館 普天間朝佳館長】「本当に強く言えば冒涜をするものだと思います。生き残った仲間たちを集めて、お互いに戦争体験を聞き取りをして、本当に血のにじむような思いで取り組んできて、その後の資料館の展示のベースになっている」
西田議員は、7日午後会見を開き、「発言は、憲法改正の前提として、アメリカの占領政策を説明する趣旨」だったと説明しました。
【自民党 西田昌司参議院議員】「日本軍が入ってきて戦争が始まり、アメリカが入ってきて戦争が終わり平和になった。そういう文脈、私が感じたのは。そういう文脈では、沖縄の方々は救われないのではないかと」
西田議員は、展示を資料館の近くの洞窟で見た、強く印象に残っているとした上で、「意図と無関係に発言が切り取られている、非常に遺憾」と説明しました。