日産自動車は、福岡県北九州市に予定していたEV=電気自動車向けバッテリー工場の建設を断念しました。
9日朝、福岡県庁を訪れた日産自動車のエスピノーサCEOと平田禎治執行役は、福岡県の服部知事と北九州市の武内市長に対し、今年度中に着工予定だったEVバッテリー工場について、計画そのものを白紙撤回すると伝えたということです。
◆日産・平田執行役
「福岡県、北九州市の皆様に多大なるご支援を頂きましたが、前回の協定締結から3ヶ月という短い期間でこのような結果になってしまったことをお詫びしたいと思います」
日産自動車は今年1月、北九州市若松区響灘地区に新工場を建設する立地協定を、福岡県、北九州市と結んでいました。
約15万平方メートルの敷地に工場を建設し、EV用のLFP(リン酸リチウムイオンバッテリー)を製造する計画でした。
投資総額は北九州市内で過去最大の1533億円、新規雇用者の数は過去10年で最多の約500人と見込まれていました。
◆福岡県 服部知事
「極めて厳しい経営環境を考えるとやむを得ないご判断だと理解しています」
日産は2024年度連結決算で7000億円以上の赤字を見込んでいて、投資効果などを見直した結果、今回の決断に踏み切ったとみられています。