函館朝市でカニなどを販売していた老舗の水産物加工販売業者「カネニ藤田水産」と関連会社の「函館カネニ」が、函館地裁から4月24日に破産手続きの開始決定を受けていたことがわかりました。
民間の信用調査会社、東京商工リサーチ北海道支社によりますと負債総額は2社合計で約4億円です。
「カネニ藤田水産」は1897年に創業、1987年に設立された老舗の水産物加工業者です。函館朝市内に店舗を構え、カニや貝類などを販売していたほか、オンラインショップも運営。たっぷりのカニ肉を使用した中華まんの「かにまん」などのヒット商品もあり、2019年9月期には売上高約4億円を計上していました。
しかし、新型コロナウイルスの感染拡大で来店客数が減少し、2020年9月期の売上高は2億8000万円に落ち込み、2021年9月期から2期連続で、売上高が1億円台にまで縮小していました。
コロナ禍の収束とともに2023年9月期以降は売上高が回復傾向を示していましたが、支払先行の資金繰りは改善しませんでした。
両社代表の藤田公人社長は2020年から函館朝市協同組合連合会の理事長を務めていて、地域経済への影響も懸念されています。