大型連休後半3日目の5月5日、長野県内の山岳で遭難が6件相次ぎ、1人が意識不明の状態、2人が重傷を負いました。大型連休中(4月26日~5日午後10時時点)、県内では、少なくとも24件の山岳遭難が発生し4人が死亡しています。県警が注意を呼び掛けています。

■北アルプス涸沢でテント泊中に

北アルプス涸沢(標高約2300メートル)で奈良県生駒郡の男性(67)が体調不良となり、長野県警のヘリコプターで救助しました。搬送時、意識不明の状態だったということです。

男性は5月3日から13人パーティーで上高地から入山し、4日から涸沢でテント泊をしていて、5日朝、起床後、嘔吐して意識がなくなったということです。

同行者から5日午前6時半前、救助要請があり、約2時間後、県警ヘリで男性を救助しましたが、搬送時、意識不明の状態だったということです。

■北アルプス奥穂高岳で滑落

北アルプス奥穂高岳のコブ尾根付近(標高約2830メートル)では東京都足立区の会社員の女性(46)が滑落してけがをしました。

女性は5日、岳沢からジャンダルム方面に向かっていたところ、滑落してけがをしました。一緒に登山をしていた東京都墨田区の会社員の女性(41)が救助しようと現場に下りましたが、自力で動けなくなってしまったということです。

46歳女性から午前11時前に救助要請があり、午後0時半過ぎに長野県警のヘリコプターで2人を救助しました。46歳女性は松本市内の病院に搬送され、背骨骨折などで重傷の模様です。41歳女性はけがはないということです。

2人は4日、上高地から入山していました。

■北アルプス常念岳 膝の痛み訴え

北アルプス常念岳の山小屋付近(標高2400メートル)では東京都港区の医師の男性(29)が膝の痛みを訴え、警察に救助されました。

男性は4日から、3人パーティーで三股登山口から入山し、5日「膝が痛くて下山が難しい」と山小屋関係者を通じて救助要請をしました。

安曇野警察署山岳遭難救助隊3人が出動し、同行下山し午後4時半ごろ救助されました。

■焼岳でフランス国籍の3人遭難

北アルプス焼岳ではフランス国籍の20代の女性3人が遭難し、長野県警のヘリコプターで救助されました。

遭難したのはフランス国籍の23歳の女性2人と27歳の女性の合わせて3人です。

3人は5日、新中の湯登山口から入山し、焼岳を経由して上高地方面に下山中、1人の23歳の女性と27歳の女性が滑落してけがをしました。また、もう1人の23歳の女性は自力で移動することが困難になったということです。

3人が宿泊していた施設を通じて、救助要請があり、午後5時半ころ、県警ヘリで救助し、病院に搬送しました。

27歳女性は軽傷の模様、1人の23歳女性はけがの程度を確認中、もう1人の23歳女性にけがはない模様です。

3人は観光のため日本を訪れていたということです。


■北アルプス蝶ヶ岳 約20m滑落

北アルプス蝶ヶ岳の蝶沢付近(標高約2100メートル)では神奈川県海老名市の会社員の男性(53)が滑落して、重傷を負いました。

男性は5日、単独で蝶ヶ岳に入山し、下山中にバランスを崩して転倒し、約20メートル登山道から滑落してけがをしました。

付近を通りかかった登山者を通じて午後1時半ころ、消防に救助要請があり、午後3時半過ぎに長野県消防防災ヘリで救助し、松本市内の病院に搬送しました。

■戸隠山 登山道から滑落

戸隠山では登山をしていた埼玉県幸手市の介護士の男性(49)が滑落して、行動不能になりました。警察などが救助にあたっています。

男性は5日、単独で戸隠山に入山し、八方睨から戸隠神社奥社までの間の登山道から滑落して行動不能になりました。

午後5時15分頃、本人から「登山道から100メートルほど滑落した」と救助要請があり、警察や消防、地元の遭対協の隊員などが出動、男性とは接触でき、同行して下山する予定です。

男性は脇腹が痛いなどと訴えていますが、けがの程度は確認中です。

■大型連休、遭難相次ぐ 24件発生

大型連休中(4月26日~5日午後10時時点)、県内では、少なくとも24件の山岳遭難が発生し4人が死亡しています。

長野県警は
・自身の力量に見合った山を選ぶ
・天候を確認する(悪天候時は冬山と同じ)
・十分な装備(軽アイゼンで大丈夫か?)
・ルートの確認(登山道は雪の下の場合がある)
ことなどを呼びかけています。

長野放送
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