「バカは今日の稽古でしめてやる」
これは、剣道を指導していた53歳の男が教え子である女の子に向けて発した言葉です。
被害者の父:
冗談にしても(メッセージを)送ってくる内容ではないと思うんです。
そして、稽古ではその言葉どおりともいえる行為が実際になされたのです。
被害者の父:
“木刀”で思い切り振りかぶって殴っているんで。一言で表すと“怒り”ですね。
2025年1月、都内の剣道教室で小学1年生だった女の子Aさんの頭を木刀でたたき、けがをさせた疑いで、元指導員の男が書類送検された事件。
FNNは当時の状況を目にしていたAさんの父親と姉に話を聞くことができました。
Aさんの父:
(Aさんが)練習していて、相手の子のほうに向かって「面!」って言ってるときに、(男が)手が上がってねえんだこのばか野郎みたいな…。
面を打つ練習をしていたAさんの背後から歩み寄り、不意打ちのように頭をたたいたという男。
手にしていたのは、竹刀よりも硬い木刀だったといいます。
Aさんの父:
小学校1年生の頭、防具つけててもやっぱり痛いどころじゃないんですよ。母親と一緒にトイレ駆け込んで、吐いて。
Aさんの姉:
(その夜も)歯を食いしばって冷や汗みたいなのをかいて、なんかこう手とかずっと震えていました。
その後、脳しんとうと打撲と診断され、剣道教室をやめたAさん。
事件から約4カ月が経過した今も後遺症に悩まされているといいます。
自身も、この元指導員に剣道を教わっていたというAさんの姉は、以前から指導中の言動に疑問を感じていたと話します。
Aさんの姉:
この野郎、バカ野郎というのが本当に多くて、(指導中)押されたりとか、すっ飛ばされたりした時は、あざもできちゃうし。
なぜ、男はAさんを木刀でたたくという行為にまで及んだのか。
Aさんの家族は、少し前に行われた大会に伏線があったのではと考えています。
Aさんの父:
1回戦負けはうちの三女(Aさん)しかいなかった状況で、道場の恥をさらしやがってと言うことはブツブツ言っていた。
警察の調べに男は「腕が正しく上がっていなかったことをAさんに教えるためだったが、間違った指導だった」と、容疑を認めているということです。