1日午後、宮城県石巻市の金華山の沖合で漁船が転覆しました。漁船には乗組員6人が乗っていましたが、全員が救助され命に別条はないということです。
カメラマンリポート
「船体が逆さまになり、赤い船底が上を向いています」
船に一体何が起きたのでしょうか。1日午後0時50分ごろ、石巻市の金華山の南東沖15キロの海上で、「転覆した船を発見し救助を求めている」と近くを航行していた貨物船の乗組員から通報がありました。
こちらはその貨物船から撮影された映像です。赤い船底に人影が映っているようにも見えます。宮城海上保安部によりますと、漁船には日本人1人とインドネシア人の5人の合わせて6人が乗っていて、事故直後、船底に立ち救助を待っていたそうです。
通報から約1時間後、乗組員全員が救助されました。命に別条はないということです。
当時、現場の海域は晴れていて、波も穏やかでした。宮城海上保安部では、転覆した漁船を石巻港に運び、船体を調べるなどして当時の状況を詳しく調べることにしています。
一方、転覆した漁船は6年前にも転覆事故を起こし、1人が亡くなっていたことが分かりました。当時の事故の原因は「満杯の漁獲物」を船に揚げたことでした。
2019年5月、閖上漁港から南東に約50キロの沖合で、小型底びき網漁船「第二山神丸」が転覆しました。宮城海上保安部によりますと、今回、金華山沖で転覆したものと同じ漁船です。
6年前の転覆事故では、乗っていた4人のうち、インドネシア国籍の当時25歳の男性が死亡しました。当時の事故調査報告書によりますと、転覆の原因は「5~6トンの満杯になった網を甲板に揚げたため」とされています。当時、船長は「今まで体験したことがない量の漁獲物で満杯になっていた」と調査に答えていました。
こちらは今年2月に撮影した「第二山神丸」です。6年前の転覆事故のあと、損傷した箇所を直して操業を続けていたとみられます。宮城海上保安部が今回の事故との関連を調べています。