三井住友信託銀行の元社員によるインサイダー事件で社長ら8人の報酬を減額です。
三井住友信託銀行が設置した調査委員会の報告書によりますと、元部長は2022年から2024年までの間、カッシーナ、サンウッド、JTOWERの3社に対するTOB=株式公開買付が行われるとの未公開情報を業務の中で得ていました。そして、3銘柄の株式を自分の名義で売買し、合わせて2932万円の利益を得ていました。
調査委員会は「元社員の単独の行為で、最大の原因は、倫理観・規範意識の弱さにあった」として組織性を否定したものの、インサイダー取引を行ったのが取引先の重要情報が集まる部署の部長であったことを問題視しています。「組織風土全体への懸念・不安をも生じさせると言わざるを得ない」として、グループ全体のコンプライアンス意識の強化などを求めました。
会見した調査委員会は「元社員の倫理感の不足に大きな原因があると言わざるを得ない」と厳しく指摘しました。
三井住友信託銀行は、研修の強化や内部通報制度の活用推進など再発防止策を明らかにするとともに、大山一也社長ら役員経験者も含めた8人の報酬を減額する処分を発表しました。
三井住友信託銀行・大山一也社長:
この度は、お客様や株主を初めとする関係者の皆様に、多大なるご迷惑、ご心配をおかけしましたことを、改めて深くお詫び申し上げます。
大山社長は会見で謝罪し、「再発防止に向けた取り組みに終わりがない」として、信頼回復に努める考えを示しました。