ゴールデンウイークを前に気になるガソリン価格。上昇が続いていましたが、今週に入って4週ぶりに値下がりしました。石破首相は1リットル10円の値下げをすると表明し、自動車ユーザーからは期待が集まる一方で、販売する側には戸惑いも見られます。今後、ガソリン価格はどうなっていくのか、県内のガソリンスタンドを取材しました。
 
田島嘉晃アナウンサー:
「越前市のガソリンスタンドです。レギュラー価格は1リットル186円と、先週よりも4円値下がりしているといいます」
 
林石油の林直樹店長は「感覚的には150円、160円台にならないとガソリンを入れて乗ろうと思うようにならないのでは」と話します。
 
一方、福井市内のガソリンスタンドも、先週から販売価格を値下げしています。店長は「12日から3円、19日から4円と合計7円安くなった価格で販売している。アメリカの関税問題による若干の円高、原油が安くなったことが(値下げの)一番の要因」と話します。
 
ただ、訪れた客に最近のガソリン価格について聞くと「少し下がったかなと思うけどそんなに変わらないかな」「上がり始めてからあまり気にしなくなった」という反応。あまり値下げの実感はないようですが、今週の県内のガソリンのレギュラー価格は先週よりも3円ほど下がっています。
 
気になるのは、遠出が増えるゴールデンウィークのガソリン代。第一生命経済研究所・永濱利廣主席エコノミストは「既に原油の先物価格がトランプ関税発動以降、急激に下がっていて、為替についても1ドル140円台前半まで円高が進んでいるので、今後はガソリン価格が下がることが確実視されてるので(ゴールデンウィーク)のガソリン価格は下がる。補助金をやめても下がる」と断言します。
 
ガソリン価格の高騰が続く中、価格を一定水準に抑えるため、3年前から国の補助金制度が続いていました。調整の目安はリッターあたり185円。国が石油元売り会社に補助金を出し、価格を抑えてきました。ところが4月17日、基準価格を下回る見通しとなったため、初めて補助金はゼロに。トランプ関税を受け、国際的に原油の価格が値下がりしたため、4週ぶりにガソリンの価格も下がりました。
 
しかし、県民からは「ぶっちゃけ高い」「若い時にガソリンが安かったのを覚えているが、いまはとても高い」と嘆く声が。
 
そんな中、22日に石破首相はー
「ガソリン・軽油についてはリッターあたり10円引き下げる。これらの引き下げ措置は1カ月程度の周知期間を経たうえで、来月22日より実施する」

これによって、5月22日から段階的にガソリン価格を1リットル10円値下げすることになりました。
  
県民はー
「期待している。10円でも20円でも下げてもらいたい」
「150円切ってくれると嬉しい」
「夏の参議院選挙のためにやっているだけ」
「連休前に値下げしてほしい。来月22日から下がったとしてもうれしくない。10円下がっても実感はない。多分30円、40円下がって150円台になれば安くなった実感が得られる」
 
一方、福井市のスタンド運営者は―
「我々も一度に10円下がることを期待していたが、実際は5月19日の全国のガソリン平均価格を調査した上で第1週目は5円、翌週からは1円の支援という形になる」
 
国のガソリン価格の支援は段階的に行われる予定で、5月22日から6週間かけて、合わせて1リットル当たり10円の支援を行うことになります。このため、国の支援が始まる5月22日から店頭価格をどの程度下げるかは、まだ分からないとしています。
 
越前市の林石油も価格設定のタイミングには慎重な様子で、仕入れ価格や在庫との兼ね合いもあり、すぐに10円は下げられないといいます。林店長は「一番初めは5円の値下げから。国としては10円と言っているが、一気に10円下げると、下がってよかったという人もいれば、きのう入れたのに…という人も出てくる」と頭を悩ませます。
 
「10円安くなる」という期待と、「すぐには下がらない」という現場。混乱なく恩恵を受けられる環境づくりが求められています。

福井テレビ
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